歴史文化ライブラリー 378
南朝の真実
忠臣という幻想
著:亀田 俊和
紙版
内容紹介
皇統が二つにわかれた南北朝時代。皇位・政策・主導権などをめぐって、観応の擾乱をはじめとする内乱が頻発した。後醍醐天皇・護良親王・足利尊氏・楠木正成・北畠親房ら、思惑をもって複雑に絡み合う人物相関から争乱を詳述。北朝にくらべ南朝は忠臣ぞろいだったというイメージがいまなおのこるが、それは真実なのか。南北朝史を新視点で描く。
目次
忠烈・義烈の南朝忠臣という幻想―プロローグ/建武政権の内紛―政治路線をめぐる抗争(尊氏よりも父の天皇が恨めしい―後醍醐天皇・足利尊氏 対 大塔宮護良親王/大覚寺統内部の皇位継承争い―後醍醐天皇 対 康仁親王/幻の鎌倉幕府再興計画―後醍醐天皇 対 西園寺公宗/建武政権最大にして最後の内紛―足利尊氏 対 後醍醐天皇)/南北朝初期における内紛―第三王朝樹立運動(幻の北陸王朝の夢―後醍醐天皇 対「天皇」恒良・新田義貞/藤氏一揆と関東王朝樹立構想―北畠親房 対 興良親王・近衛経房・小山朝郷)/観応の擾乱以降における内紛―講話か、徹底抗戦か?(吉野攻撃を申し出た南朝の武将―北畠親房 対 楠木正儀/南朝のスキャンダル―後村上天皇・北畠親房 対 中院具忠/護良の遺児の野望―後村上天皇 対 赤松宮陸良親王/大楠公楠木正成の息子、南朝を裏切る―楠木正儀 対 長慶天皇/南朝天皇の兄弟喧嘩―後亀山天皇 対 長慶上皇)/教訓―南朝の内紛が教えてくれるもの/「相対化」される「南朝忠臣史観」/南朝の潜在的反乱分子―北条時行と征西将軍宮懐良親王/内紛の対立構造の変化―現代政治との共通点)/歴史から学ぶとは?―エピローグ