歴史文化ライブラリー 371
死者のはたらきと江戸時代
遺訓・家訓・辞世
著:深谷 克己
紙版
内容紹介
身分制社会となった江戸時代では、死者もまた生前の身分を引き継ぎ序列化された。徳川家康の神格化、大名の残した遺訓、農家・商家に伝わる家訓や看取りの記録、辞世や自死など、死者の行動や言辞が生者の世界に大きな影響力を及ぼした。死者と生者が親昵(しんじつ)だった近世を通して、死者が生者と協同して歴史をつくりあげていく様相を浮き彫りにする。
目次
死者が生者を動かす時代―プロローグ/身分制社会の死者と生者(江戸時代における死の相貌/自分の死を凝視する)/遺訓・家訓にみる江戸時代(遺訓の政治文化/家訓の経営文化)/死に向き合う近世人(最期の看取り/辞世の諸相)/死なない死者たち(死者の居場所と形/「神格化」と「成仏」)/江戸時代の自死(自死の主張/死と穢れ)/死者と生者が親昵な時代―エピローグ