歴史文化ライブラリー 250
観音浄土に船出した人びと
熊野と補陀落渡海
著:根井 浄
紙版
内容紹介
補陀落渡海とは何か。観音菩薩が住む南方海上の浄土=補陀落世界を目指し、現身を船形の棺に納めて大海原に船出した人びとがいた。九世紀半ばに始まり十六世紀に隆盛を見せた「南方往生」を探る。源平争乱期の平維盛、室町時代の万里小路冬房、熊野の補陀洛山寺の上人たち…。宣教師の記録や絵画史料、船の構造から、補陀落渡海の世界観を解明する。
目次
補陀落渡海―プロローグ/熊野への旅(蟻の熊野詣/平維盛の入水往生/熊野の補陀落渡海)/補陀落渡海した人びと(補陀洛山寺の渡海上人/智定坊の補陀落渡海/実勝坊の補陀落渡海/日秀上人の補陀落渡海/高海上人の補陀落渡海)/補陀落渡海の遺跡(四国の補陀落渡海/九州の補陀落渡海/日本海の補陀落渡海)/宣教師が見た補陀落渡海(外国文献の補陀落渡海/宣教師たちの書簡/キリシタン伝来と補陀落渡海)以下細目略/補陀落渡海の絵画/青海原への憧憬―エピローグ