歴史文化ライブラリー 218
中世武士の城
著:齋藤 慎一
紙版
内容紹介
「城」とは何か。いま、城館研究は大きな岐路にさしかかった。これまで中世の城は、土塁(どるい)と堀からなる“戦争”の場と捉えられてきたが、近年、考古学・有職(ゆうそく)故実(こじつ)などの研究成果により“政治的”“日常的”な場の存在が明らかになった。“お城”の現代的なイメージを払拭し、武勇ではなく安穏(あんのん)を求めた社会の現実を踏まえ、中世の城の新たな実像に迫る。
目次
中世のお城―プロローグ(イメージ中の“城”/『玉葉』のなかの城/“城”とは何か!/「武勇」と「安穏」/本拠)/戦国山城の出現(本城の出現/臨時の城館/屋敷の非軍事性)/武家の屋敷と寺院(屋敷の周辺/極楽往生/現世利益)/本拠と要害(武家の本拠―遠江国の事例―/周辺の様相/要害誕生の背景)以下細目略/中世武士の本拠―エピローグ