歴史文化ライブラリー 213
江戸八百八町に骨が舞う
人骨から解く病気と社会
著:谷畑 美帆
紙版
内容紹介
百万人を擁する大都市江戸には、疫病、火災、処刑などによって、いたるところに遺体が散乱していた。そこから発掘された人骨や墓から何が分かるのか。骨に残された痕跡を観察し、病気の種類、社会環境や町の暮らしを復元する。さらに当時の地方やロンドンとの比較も試み、現代の環境づくりに生かす、「都市古病(こびょう)理学(りがく)」の重要性を説く。
目次
江戸という時代―プロローグ/古人骨からみた江戸の町(人骨と江戸の町/墓と副葬品)/骨と墓から何がわかるか(将軍の遺体と墓/骨からわかる江戸人の病気)/地方の暮らし(宗玄寺跡から/清水大日堂裏古墓から/江戸時代の日記から)/一七~一八世紀のロンドン・英国(遺跡とペスト/遺跡は語る/一八世紀のロンドンの暮らし/地方と生活)/近世都市・江戸(巨大都市/過密とクリーン)/都市病理学の可能性―エピローグ