歴史文化ライブラリー 178
古代の蝦夷と城柵
著:熊谷 公男
紙版
内容紹介
蝦夷とは何か。南北交流と城柵をキーワードに、その実態を浮彫りにする。大化改新直後に古代王権が北方世界との境界に設置した渟足柵をはじめとする城柵は、蝦夷支配の拠点であったばかりでなく南北両世界の交流の場でもあった。その多様な機能と王権の蝦夷政策を探り、蝦夷文化の誕生の歴史を解明。今なお謎に包まれている蝦夷の世界を描き出す。
目次
蝦夷論への視座(蝦夷観念の形成/蝦夷認識の観念性と現実性/蝦夷論と考古資料)/蝦夷文化の形成(南北両世界の交流/倭王権の蝦夷政策)/城柵形成史(大化改新と蝦夷政策/初現期の「柵」/城柵の形成と南北交流)/文献史料からみえてくる蝦夷の文化(蝦夷の戦闘能力と蝦夷社会/諸国移配蝦夷からみた蝦夷文化)/新たな東北古代史研究に向けて