歴史文化ライブラリー 168
江戸の地図屋さん
販売競争の舞台裏
著:俵 元昭
紙版
内容紹介
江戸の地図を片手に東京を歩いてその工夫を知る。一見不正確な描写に必要な情報が十分に盛り込まれ、当時の大名屋敷や寺社・町屋を尋ねる手引として絶好の伴侶となる江戸切絵図。そこには航空測量にも匹敵し伊能図とは違う独特の世界がある。多くの需要と熾烈な出板競争の中、知恵と技術を尽し実用的な江戸図が追求され続けた歴史の舞台裏に迫る。
目次
江戸図の入り口(なぜ切絵図は今も売れるか/江戸図に出会う)/切絵図の世界(究極の江戸図とは/異業種参入、市場爆発/売行を試算する)/ロングセラー七〇年(無念の敗退、吉文字屋/蘇った安見図/徒歩圏都市の心理距離)/大絵図の世界(「江戸図の祖」の出現/偉大な道印は何をしたか/手描き大絵図、分割の起源と変遷)/見取り図と回顧地図(江戸図の元祖、慶長図二枚/地図と都市の揺籃期/江戸図は回顧する)/総括してなお残ること(御府内を朱引とする/現実の境界/道灌が見た江戸図)