歴史文化ライブラリー 161
夏が来なかった時代
歴史を動かした気候変動
著:桜井 邦朋
紙版
内容紹介
地球の気候は、一八〇〇年前後の数十年間、冷たい夏が何年にもわたり繰り返された。気候の寒冷化は歴史に何をもたらしたのか。フランス革命との因果関係はあるのか。浅間山やラーキ山の大噴火、太陽の活動、アルプスの氷河の動きなどに寒冷化の要因を探り、当時の世相を博物誌、文学作品や絵画、風俗から検証。気候変動と歴史の関係を科学する。
目次
リンゴの花が七月に咲いた―プロローグ/自然と人間(『セルボーンの博物誌』は語る/『博物誌』にみる気候/気候変動を語る歴史資料)以下細目略/火山噴火と冷夏/気候変動―十八世紀末から十九世紀初のヨーロッパ―/フランス革命と気候/十九世紀初頭のイギリス―気候学的考察―/オースティンの『エマ』は語る―彼女は真実を語った―/一八〇〇年前後のヨーロッパ―気候が寒冷化した時代―/気候の寒冷化は何がひき起こしたか/ホワイトとオースティンは何を語ったか―エピローグ