歴史文化ライブラリー 151
日本語の誕生
古代の文字と表記
著:沖森 卓也
紙版
内容紹介
「上古の世にいまだ文字あらず」。文字を持たなかった日本人は、中国から伝わった漢字を借りて、自らの言葉をどう表記するか試行錯誤・悪戦苦闘した。木簡や鉄剣銘文、『万葉集』などを読み解き、漢字伝来から音訓を用いた和文、万葉仮名を経て平仮名・片仮名の成立まで、日本語表記の変遷過程を再現。今日の「国語国字問題」を考える上でも必読書。
目次
「上古の世にいまだ文字あらず」―プロローグ/日本語の原風景=日本への漢字伝来(現存最古の日本漢字文/本邦最古の日本語表記/日本漢文の黎明期)/音仮名による音節表記(音仮名の展開/二合仮名の由来/連合仮名と略音仮名)/黎明期の和文=和文の成立(訓の成立/和化される漢文/和文の成立要因)/音訓の交用(訓仮名の成立/音訓の交用/音と訓とが織りなす世界)/日本語表記の展開=七世紀後半における散文の和文表記(宣命対の源流/七世紀の和文と宣命大書体の成立/宣命小書体の成立)/歌の文字化(歌における二つの表記様式/歌表