歴史文化ライブラリー 109
遊牧という文化
移動の生活戦略
著:松井 健
紙版
内容紹介
ヒツジの群れを追い、砂漠を気ままに放浪する旅人――という遊牧民像は幻想だ。羊皮を商い、あるいは農耕から賃労働にまで携わるそのライフ・スタイルは、自給よりも既存の国家権力や市場制を志向するかれらが戦略的に選びとった、きわめて政治的な営みである。移動によって生活はいかに組織されるのか。西南アジア遊牧民の知へのあくなき洞察。