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人物叢書 306

藤原冬嗣

著:虎尾 達哉

紙版

内容紹介

平安前期、初代蔵人頭を務めた藤原北家の貴族。嵯峨天皇の信任厚く、側近として政界の頂点に立ち、のちの摂関家興隆の基礎を築いた。漢詩、薫物にも才を発揮したほか、藤原氏の族長として氏族の結束を促し、また最澄・空海を支援するなど、仏教界にも貢献した。薬子の変や頻発する自然災害に大きく左右された時代に生きた非凡な政治家の生涯に迫る。

目次

はしがき/父・内麻呂の時代(南家の隆盛と北家の退転/内麻呂と雄友/伊予親王の変/母・百済永継と良岑安世)/官僚としての冬嗣(官僚冬嗣の誕生/参議緒嗣の存在/蔵人頭就任/薬子の変)/冬嗣政権への道(参議就任/内麻呂の死/園人首班体制/冬嗣政権の誕生)/嵯峨朝後半期の冬嗣政権(災害頻発の国難/天人相関思想/ノブレス・オブリージュ/富豪の財力活用と国司の不正禁止)/淳和朝初期の冬嗣政権(嵯峨天皇の譲位/淳和天皇と冬嗣政権/淳和朝冬嗣政権の政策/冬嗣と緒嗣)/さまざまな冬嗣―族長・文人・合香家・仏教外護(プレ「藤氏長者」としての冬嗣/文人としての冬嗣/合香家としての冬嗣/天台・真言両宗外護としての冬嗣)/冬嗣の死とその後(冬嗣の急死/法編纂と修史事業―弘仁格式・内裏式・日本後紀/家族と親族/邸宅)

著者略歴

著:虎尾 達哉
1955年、青森県生まれ。1983年、京都大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、鹿児島大学教授・博士(文学) ※2020年8月現在
【主要著書・論文】『日本古代の参議制』(吉川弘文館、1998年)、『律令官人社会の研究』(塙書房、2006年)、「律令官人の朝儀不参をめぐって」(『日本歴史』815、2016年)

ISBN:9784642052993
出版社:吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:304ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2020年08月
発売日:2020年07月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB