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創られた「天皇」号

君主称号の古代史

著:新川 登亀男

紙版

内容紹介

天皇という称号は古代に起源をもつが、じつは長く使用されなかった。もともとは漢語で、中国思想とのかかわりなどから、その成り立ちや含意をひもとく。天子・皇帝ほか君主の呼称が多くあったなか、なぜ天皇が選択されスメラミコトという和語と結びついたのか。天皇位の系譜をたどり、称号をめぐる考察をつうじて、日本国家のかたちを問いかける。
 

目次

Ⅰ 二度つくられた「天皇」号
 一 新「天皇」号の誕生
 二 旧「天皇」号への視点

Ⅱ 八世紀の「天子」と「皇帝」
 一 『続日本紀』のなかの「天子」
 二 危機再生の「天子」
 三 「天子」聖武の前史と課題
 四 創られる「天皇」聖武
 五 「天子」と「皇帝」になる「天皇」
 六 「天皇」をめぐる「業」と「政」と「心」
 七 「天皇」と仏教

Ⅲ 『日本書紀』のなかの君主と「尊」(ミコト)字称
 一 歴史記述としての『日本書紀』
 二 仮借漢語と和語
 三 ふたつの「尊号」
 四 理想としての「尊」字称
 五 「尊」字称の展開
 六 「尊」字称と「皇」子称
 七 「跏趺坐」する「倭王」
 八 「天」は「兄」、「日」は「弟」

Ⅳ 「ミコト」と「尊」・「命」字称の成り立ち
 一 和語「ミコト」の漢語(字)表記
 二 「ミコト」の諸相
 三 「ミコト」の発語と「命」字採用
 四 「尊」字採用の「ミコト」

Ⅴ 『隋書』倭国伝の「倭王」
 一 隋への「倭王」情報
 二 「タリシヒコ」の構造と歴史

解説…川尻秋生

ISBN:9784642046824
出版社: 吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:368ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2024年06月20日
発売予定日:2024年06月18日