律令国家の祭祀と災異
著:小林 宣彦
紙版
内容紹介
7世紀から8世紀にかけて成立した律令国家は、頻発する災異から共同体を保全するため、元来は豊穣・防疫を祈り収穫を感謝して執り行われる祭祀を、どのようにしてシステム化し、国家祭祀として制度化したのか。古代の「罪」と「祟」、神仏習合、神郡の成立、神階奉授、神税管理などを分析し、歴史学と宗教学の両面から古代祭祀の実態を解き明かす。
目次
序言 本書の刊行趣旨と構成/序章 律令国家祭祀の構造―官社・名神・神祇官を中心に/古代祭祀と災異(律令期神祇制の再検討―霊験と祟りをめぐる神事のシステム化を中心に〈「災異=神祟」に対応する神事/祟りの特徴をめぐって/国家祭祀と国司祭祀〉以下細目略/古代の「罪」と「祟」―稲荷神にみる「伐木の罪」と「天皇不予」とを中心に/古代における災異への対処とその思想的背景―神・仏・天のうち神祇の対処を中心に/律令国家における神仏関係)/律令国家と祭祀(古代の神事構造と神郡の成立/律令制の成立と祭祀―出雲神郡の成立を中心に/令制下における国造/奈良時代の神位の性格)/国家祭祀と神社(律令祭祀の成立と神社/古代の神社とその周縁/国家祭祀と神税―神社経済/国家祭祀と神主―国家と奉斎集団とをつなぐ神職)