日本古代の郡司と天皇
著:磐下 徹
紙版
内容紹介
日本の古代国家は、地方豪族たちを郡司として編成することで中央集権的な地方支配を目指した。孝徳朝大化年間に確立された郡司と天皇の関係や、9世紀にいたるまでの任用関連法令の変遷、その地位を持ち回り的に継承した郡司層の動向などを分析。これらの成立・展開過程や内実を考察し、郡司・郡司制度という切り口から古代国家像を検証する。
目次
序章 本書の構成と意図/郡司と天皇制(郡司読奏考―郡司と天皇制〈郡司読奏の基礎的考察/郡司読奏の構成要素/郡司読奏の成立〉/宣旨による郡司の任用―延喜式部式奉大臣宣条を手がかりに〈延喜式に見える郡司の「銓擬」/二つの郡司の任用方法/宣旨による郡司の任用とその特質〉以下細目略)/郡司任用制度と郡司層(郡司譜第考/郡司任用制度の考察―郡司・郡司層と天皇/延暦十七年三月丙申詔試解―「譜第之選」の停止をめぐって/郡司層小論)/郡司制度の周辺(擬郡司帳管見―郡司任用日程の変遷/郡司職分田試論)/終章 郡司・郡司制度と日本の古代国家/引用史料目録