古代の人々の心性と環境
異界・境界・現世
著:三宅 和朗
紙版
内容紹介
現代の大都会とは異なる暗い夜、静かな音の風景(サウンドスケープ)のなか、古代の人々は研ぎ澄まされた五感を介して何を感じていたのか。生活空間の周囲に広がる異界と人々との関わりを、巨樹・古墳・ニオイ・不思議・人間の身体や声などのテーマを取り上げ、古代史料をもとに読み解く。今では忘れ去られた彼らの心性に迫ることで、現代の社会や環境を見つめ直す。
目次
序章 古代の人々の心性と環境―問題の所在/樹木をめぐる古代の環境史(古代の人々の心性と巨樹〈『古事記』『日本書紀』『風土記』の巨樹伝承/巨樹の呪力と転用/巨樹と支配のシンボル/巨樹の伐採と信仰〉/古墳と植樹〈古墳と植樹/古墳植樹の成立と背景/古墳の転用―樹木を手がかりに/付論 古墳の名称と樹木〉/木俣考―古代の人々の心身と境界〈木俣/鹿角とからだ〉以下細目略)/古代の人々の心性と異界・境界(古代の声の風景―ナクとサヘヅル/神々の声・神々への声を聴く―古代の聴覚/異界・異類とニオイ―古代の嗅覚/古代の人々と不思議―感性を手がかりに/古代の人々の背丈)/終章 古代の人々の大地へのまなざし