日本史学研究叢書
古代国家の東北辺境支配
著:今泉 隆雄
紙版
内容紹介
考古学・文献史学双方への深い理解と精緻な分析によって、古代国家の東北辺境支配政策とその変遷について解明する。郡山遺跡・多賀城・秋田城など東北の城柵に視点を据えその機能や構造、蝦夷支配との関わりを追究し、その支配対象となる蝦夷社会の実像にも迫る。著者が心血を注ぎ込んだ十五編の遺稿にもとづいて、東北古代史研究の到達点を示す。
目次
古代国家とエミシ(律令国家とエミシ〈エミシの生業と文化/エミシの社会/辺境支配の基本政策/城柵制とその支配機構/柵戸と辺郡/エミシ支配の基本政策とその組織/エミシの朝貢と饗給/エミシの「中国」移配/辺境支配の特質〉以下細目略/古代史の舞台 東北/蝦夷の朝貢と饗給/補論 閇村の蝦夷―昆布の道/律令における化外人・外蕃人と夷狄/三人の蝦夷―阿弖流為と呰麻呂・真麻呂)/城柵の辺境支配(東北の城柵はなぜ設けられたか/古代東北城柵の城司制/律令と東北の城柵/八世紀前半以前の陸奥国と坂東/天平九年の奥羽連絡路開通計画)/個別城柵の考察(古代国家と郡山遺跡/多賀城の創建―郡山遺跡から多賀城へ/秋田城の初歩的考察/秋田城と渤海使)