近世旗本領主支配と家臣団
著:野本 禎司
紙版
内容紹介
徳川将軍家の直臣、将軍直轄軍として権力の支柱であった旗本家。彼らは幕府官僚職の遂行と知行所の支配をいかに両立し、近世領主として存立していたのか。旗本家の領主支配の構造と家臣団の実態を解き明かし、知行地が多く設置された江戸周辺地域にもたらした社会像を提示する。近世社会における旗本家の歴史的な位置づけを問い直す注目の一書。
目次
序章 旗本知行研究の課題と本書の分析視角/近世国家における旗本知行(旗本拝借金制度の構造と展開―幕府官僚制と旗本知行保障〈旗本拝借金の展開/旗本拝借金の性格/幕府官僚職遂行と旗本家の特権/旗本拝借金の返納〉/天保期旗本家の知行所支配の変質と「在役」〈天保五年における越訴と「在役」/天保一二年の頼母子講と「在役」〉以下細目略/旗本家の知行所支配行政の実現と「在役」/幕末期の旗本家の「役」と家政改革/安政期における旗本家の家政改革)/旗本家家臣団の再生産構造(近世後期旗本家家臣団の編成原理/近世後期旗本家用人の就任過程―江戸―周辺地域論の視座から/大坂目付役遂行時の旗本家の家臣団編成と勝手元締役/近世後期旗本家家臣の存在形態―一〇〇〇石台旗本家を中心に/終章 本書の総括と展望―近世旗本領主論と江戸周辺地域の社会像