近代日本政治と犬養毅
一八九〇~一九一五
著:久野 洋
紙版
内容紹介
近代日本を代表する政党政治家・犬養毅は、その政治的半生を野党指導者として捧げた。地方利益誘導を掲げた与党との差別化や政権参画の実現にむけて、彼の政治指導はどのように展開していったのか。中央での動きだけでなく、自身の選挙地盤との関わりから考察。「憲政の神様」とされる犬養の実像に迫るとともに、明治大正期の政治変容を捉える。
目次
序章 課題と方法/犬養毅・進歩党系の地方基盤(明治中期における進歩党系勢力の地方基盤―犬養毅の選挙地盤を中心に〈岡山県の地域的特徴と「犬養派」/犬養毅の政治基盤の強化/児島湾開墾問題をめぐる進歩派の動向〉/日露戦前における地方都市の政治状況―岡山市の場合〈日清戦後における岡山市上水道敷設問題の浮上/岡山市上水道敷設問題をめぐる市内団体と政党勢力〉/地域政党鶴鳴会の成立〈日露戦前における進歩派の勢力拡大過程/日露戦前における進歩派支配への対抗/鶴鳴会の結成〉以下細目略/立憲国民党の成立―犬養毅と坂本金弥の動向を中心に)/犬養毅と政界再編への模索(日清戦後における犬養毅の貿易立国構想の形成/補章 日清戦後の対外硬派―大手倶楽部の動向を中心に/明治後期の政界再編と犬養毅/大正期「第三党」構想の形成―犬養毅・立憲国民党の地方基盤)/終章 総括と展望