元田永孚と明治国家
明治保守主義と儒教的理想主義
著:沼田 哲
紙版
内容紹介
儒学者として明治天皇の人格形成に多大な影響を与えた元田永孚。その保守主義と称される活動は、明治政府に対する儒教的理想主義からの批判だったのではないか。元田の思想形成・国憲論・国教論・対外観を横井小楠の儒学思想、明治天皇との関係とともに解明。儒教が日本の近代化に果たした役割を探り、保守主義的政治思想を実証的に考察する。
目次
序論(保守主義と近代日本/儒学と幕末・明治/おわりにかえて―本書の構成―)/第一部=思想の形成と展開(元田永孚の思想形成/幕末維新期における元田永孚の思想と行動/付論1=横井小楠思想の特質)/第二部=「国憲」と「国教」 明治前期政治過程と元田永孚(元田永孚と「君徳輔導」論/元田永孚と「国憲」論の展開/付論2=元田永孚と皇室典範/「国教」論の成立・展開―「教学大旨」から「教育勅語」へ―/元田永孚と明治二十三年神祇院設置問題)/第三部=「対外観」の諸相(壬午事変後における元田永孚の朝鮮政策案―『朝鮮処法私案』