昭和天皇と近現代日本
著:後藤 致人
紙版
内容紹介
昭和天皇研究は、一九九〇年前後を境にして大きく研究環境を異にしてきたと言ってよい。「宮中グループ」における天皇や皇族集団、内大臣木戸幸一の果たした役割から、昭和天皇の位置づけがいかに変化していったのかを検証する。さらに、地域社会と天皇権威の関係や、戦後の在位が保守政治に与えた影響などを探り、天皇という存在の意味を考える。
目次
国民国家の再編と昭和天皇/Ⅰ=華族社会の展開と「宮中グループ」(明治における華族社会と士族社会―明治の「お家騒動」をめぐって―/大正デモクラシーと華族社会の変容Ⅰ/大正デモクラシーと華族社会の変容Ⅱ)/Ⅱ=太平洋戦争と天皇・宮中(「宮中新体制」における皇族集団の位置/「宮中新体制」における内大臣木戸幸一の位置と役割/昭和戦前期における地域社会と天皇権威―花巻温泉と皇族―)/Ⅲ=天皇と戦後社会(敗戦・戦後と華族社会/昭和戦後期における地域社会と天皇権威―第二十五回国民体育大会をめぐって―/戦後政治における昭和天皇の位置/天皇の代替りと象徴天皇制)/昭和天皇と近現代日本