ニューヒストリー近代日本 6
日記をつづるということ
国民教育装置とその逸脱
著:西川 祐子
紙版
内容紹介
人はなぜ日記をつづるのか。一葉日記、家計簿と主婦日記、内面の日記、戦争日記、さらに最近のブログまで、日記の慣習、日記帳の商品化、日記のジェンダーなどを、幅広い視点から読み解く。国民教育の一貫として奨励された日記が、書き継がれることによって国家的意図から逸脱し、貴重な証言を残していく。その過程を丹念に描き、近代日本を問い直す。
目次
Ⅰ=人はなぜ日記をつづるのか(日記という研究対象/日記研究の動機/本書の視角)/Ⅱ=日記とは何か(日記の定義の難しさ/日記の分類、その一―二項対立的分類―/日記の分類、その二―項目別羅列式分類―/日記・自伝・伝記・歴史・小説の比較)/Ⅲ=近代移行期の日記(近代とそれ以前の日記/『一葉日記』の和文体/岸田俊子『湘煙日記』の漢文体/『ホトトギス』募集日記の言文一致体)/Ⅳ=日記帳という商品(日記帳出版の前史/博文館日記)以下細目略/Ⅴ=家計簿と主婦日記の創出/Ⅵ=内面の日記の創出/Ⅶ=戦争日記の世界/Ⅷ=日記による戦後再編成/Ⅸ=未知の編成を生きる―教育装置か、その逸脱か―/あとがき/日記帳略年表/主要参考文献一覧/文献案内/索引