前近代日本の交通と社会 1
著:丸山 雍成
紙版
内容紹介
近世交通史の研究を牽引してきた著者による、前近代を中心に隣接分野にも及ぶ日本交通史の研究成果を集成する。古代から近世までの交通史概観、五街道と脇街道、長崎街道など九州の諸街道、日本橋・箱根関所に関する考察をはじめ、いわゆる「慶安御触書」、古九谷論争、九州の織豊城郭、中津城・福岡城の天守、九州の豪商など、多彩な論考を収載する。
目次
はしがき/日本前近代の交通史研究の素描と展望―陸上交通を中心として/近世の陸上交通体系と交通風俗/近世宿駅の成立に関する一見解/江戸日本橋をめぐる問題―一里塚(元標)の存否と高札場の変遷、その復原方策/近世関所の関番人配置をめぐる問題―特に箱根関所を中心として/九州の街道と宿駅/長崎街道―「鎖国」制下の異文化情報路/「参勤交代」瞥見―参府献上・拝領などを兼ねて/所謂「慶安御触書」論の回顧と再検討/古九谷論争の彼方/近世城郭への二つの途/黒田孝高の戦略と築城/玄界灘の戦国豪商―その栄光と没落/近世情報化社会の形成/あとがき