日本中世百姓成立史論
著:木村 茂光
紙版
内容紹介
中世における「百姓」身分はいかに成立したのか。解状・申状など上申文書の形式や身分呼称の変遷の分析と、国家的負担と民衆闘争とのせめぎ合いのなかから、「百姓」の成立過程を論じる。さらに、「御成敗式目」四二条を読み直し、百姓身分と百姓のイエの歴史的特質を考察。四半世紀にわたる研究の成果を集成し、新たな中世史像を展望する注目の書。
目次
はしがき/序 日本中世史像の現在(はじめに―日本史研究会の頃〈「時代像」を描けない時代/中世史像を考える―在地領主制論と百姓論の狭間で/王朝国家と在地領主的展開/延久荘園整理令の意義/王朝国家期以後への展望/補論 百姓身分論争〉/Ⅰ 住人等解と住人身分(成立期「住人等解」の性格について/成立期「住人等解」と「住人」/「住人等解」の基礎的考察/「住人」身分の成立と「公」性)/Ⅱ 百姓と百姓等申状(中世百姓の成立/「御成敗式目」四二条と中世百姓/「浪人招寄せ」・「移動の自由」と中世百姓/「百姓等申状」覚書)/Ⅲ 解と申状(平安前・中期における「解」の性格/申状の系譜)