日本古代女性史論
著:義江 明子
紙版
内容紹介
日本古代の女性は地域社会のなかでどのように生きたのか。〝家族〟を超えた社会的な役割を、村レベルでの女性の経営機能と国家によるその掌握を通して探る。さらに、王権祭祀における女性祭祀者の意義を考察し、〝女=聖〟という霊的優位性の観念を批判的に再検討。生活・祭祀・家族を総合する視点から、古代女性の実像を解き明かす。
目次
古代女性史研究の転換点にたって/Ⅰ=生活と経営(古代の村の生活と女性/「刀自」考―首・刀自から家長・家室へ―/「田夫」「百姓」と「里刀自」―加賀郡傍示札における魚酒型労働の理解をめぐって―/付論1=「寺刀自」ノート―女性の労働指揮権をめぐって―/付論2=「酒を作る家主」と檀越―『日本霊異記』中巻三二話にみる「家」と経営―)/Ⅱ=祭祀の編成(刀自神考―生産・祭祀・女性―/御巫の再検討―庶女任用規定をめぐって―/「女巫」と御巫・宮人―鎮魂儀礼をめぐって―/付論1=御巫と斎王・造酒童女/付論2=女性の霊的優位性