日本近代文学の詩と散文
著:野山 嘉正
紙版
内容紹介
本書は、近代文学評論を問題史的に考察して幾つかのポイントをつなぎ、現代に至る全体像を構想したものである。その特徴は、明治文学の展開に現代の起点を設定していること、詩歌と散文というベースとしての枠組みを設定していることである。これにより、今まで隠れて見えなかった個々の作家の詩と散文における史的様相を見いだすことができるようになった。
目次
はじめに
第一章
一 西周 ―百学のなかの文学―
二 中村敬宇 ―宗教と文学―
第二章
成島柳北の「詩」
第三章
新体詩の思想 ―『新体詩抄』から藤村まで―
第四章
没理想論争の内と外 ―坪内逍遙と森鷗外―
第五章
伝統詩歌の変容 ―継受と革新―
第六章
一 正岡子規と夏目漱石 ―詩と散文―
二 子規の俳句と短歌(「はて知らずの記」研究)
第七章
鷗外の晩年 ―散文の極点―
第八章
自然主義の実相
第九章
近代主義のゆくえ ―芥川龍之介から小林秀雄へ―
第十章
近代詩歌研究史展望
人名索引
あとがき