叢書・知を究める 23
予防の倫理学
事故・病気・犯罪・災害の対策を哲学する
著:児玉 聡
内容紹介
病気、犯罪、災害に対する予防的介入の重要性は、今日ますます認識されるようになっているが、政府や社会による予防的介入については、個人の自由との衝突の可能性をはじめとする様々な問題があるため、倫理的な検討が欠かせない。本書では、疾病予防、防犯、防災に関わる具体的な事例の検討を通して、その予防活動の概要と倫理的な問題点を分析し、それを踏まえて予防活動全般の構造や理論を明らかにすることで「予防の倫理学」の確立を試みる。
目次
序 章 予防をめぐる諸問題
第Ⅰ章 交通事故の予防
1 オートバイのヘルメット着用義務
2 自動車のシートベルト着用義務
3 自転車の安全対策
4 高齢運転者の規制
5 交通事故の予防について考える
第Ⅱ章 公衆衛生と医療
1 餅の販売は禁止すべきか
2 牛・豚の生レバー規制
3 新型出生前診断
4 乳房の予防的切除術
5 アルツハイマー病の発症予測
6 予防接種
7 HPVワクチン
8 自殺予防
9 遺伝子剖検
10 感染予防措置としての隔離
11 医療資源の配分
第Ⅲ章 犯罪の予防
1 犯罪予防について
2 DV防止
3 児童虐待防止
4 ストーカー規制法
5 被害者の自己責任
6 性犯罪予防
7 防犯カメラ
8 いじめ対策
9 医療事故予防
第Ⅳ章 災害の予防
1 災害と防災
2 予測・予報・予防
3 ハザードマップの意義と課題
4 大川小学校の津波災害と責任
5 平時の倫理と有事の倫理
6 風化の問題
7 自助・共助・公助
8 予防原則
終 章 「予防の倫理学」に向けて
あとがき
索 引
ISBN:9784623095810
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:4-6
。ページ数:340ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2023年08月
。発売日:2023年07月24日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS。