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二十一世紀の大学教育改革[最新版]

創立者が語る東京福祉大学・大学院の挑戦

著:中島恒雄

紙版

内容紹介

専門学校や短大だけでなく、四年制大学も淘汰の時代を迎え、対話型・双方向型の授業など、真に良い教育を提供できる大学が求められるようになった。そこで、本書では、二十一世紀を支える新しい大学は、思考力や創造力、問題発見・解決能力を身に付けた、優秀な人材を育成する必要があるとし、大学教育のあるべき姿をはじめ、学生の力を伸ばすための効果的な教育方法、教育力のある教員の養成法を紹介する。

目次

まえがき
最新版の刊行にあたって

第Ⅰ章 二十一世紀に望まれる大学教育とは
   大学の教員が学生に教えなければならないこと
   チェック機能が働くアメリカの大学
   没個性人間を育てた日本の教育
   大学のランキングは入試ではなく卒業論述試験で
   二十一世紀は自由競争の時代
   日本では企業が実践教育を担になってきた
   終身雇用制は過去のものに
   一人ひとりの個性にあった教育を
   中高年になってから頑張る人、あきらめる人
   他校と異なる東京福祉大学の独自性
   情報を公開しない日本の体質
   教育の世界にも競争原理を
   日本の官僚主導体制の限界
   「創造」が苦手な日本人
   戦術を学んで戦略は学ばなかった日本
   英語聴解力は幼稚園から始めると自然に身に付く
   規格大量生産の時代は終わった
   大学院での実用知識の獲得がカギ

 資料1 東京福祉大学に教育学部教育学科を設置

第Ⅱ章 アメリカの教育者の考え
   教師の喜び
   教育目標は地域社会や国の方針を反映する
   アメリカの有名一流大学の実態
   博士号は教員の必要資格
   大学教育を有意義にするには
   一般教養は人を賢明にする
   黒人は博士号を取得すれば、白人の博士より高い人気と収入
   アメリカは資格を重んずる社会
   学校の成績の本当の意味
   予言自己実現説

 資料2 学長アンケート 「トップ30大学」54%志向 構想反対も過半(日本経済新聞)

第Ⅲ章 日本人の知らないアメリカの教育の特色
   アメリカでは人生につまずいても大学教授になれる道がある
   アメリカでは大学の認可も再チェックされる
   アメリカの大学の多様性
   教室で黙っていてはいけない
   アメリカにもある大教室での講義
   アメリカと日本の大学入試の違い
   一芸推薦入試
   良い大学とは
   アメリカの大学とヨーロッパの大学の相違点
   学生の書いた論文も徹底指導
   アメリカのキリスト教思想
   専門家になるということ
   お金持ちと低所得者層との交流
   ハーバード大学の教授とは
   日本人が優秀になるには

 資料3 定員割れ 国立にも波及(日本経済新聞)

第Ⅳ章 アメリカ人にとって「博士」とは何か
   アメリカ人はなぜ博士の学位を重要視するのか
   アメリカの博士号取得の困難さ
   アメリカの博士号と日本の司法試験
   夜間大学院
   文科系と理科系の差
   学歴と男女関係
   ビジネスマン同士の付き合い
   女性の労働力と競争原理の導入
   アメリカの地域性

第Ⅴ章 学生の力を伸ばすために
   学生に自信を持たせるには
   レポート作成時の資料探し
   教師と学生の感情面の結びつき
   教師も努力する――教員研修会(ファカルティ・ディベロップメント)
   働きたがらない教師
   教師の質しつの問題
   終身雇用制度の見直し

 資料4 『米国の大学社会福祉教育の実態と日本への提言』――マーサ・N・オザワ博士社会福祉特別講演会
  一、講演会開催要領
  二、マーサ・N・オザワ博士講演原稿『日本の社会福祉学の教育をいかにして改善するか――まず教員の能力開発から始めましょう――』
   教育のグローバル化と絶え間ない変化
   日本の高等教育システムの矛盾
   良い社会福祉学大学院を発展させるためには何が必要か
   日本の社会福祉学大学院に対する提案
   結  論
  三、社会福祉特別講演会 第二部 全体討論(抜粋)

 資料5 東京福祉大学グループのアメリカ夏期短期研修について
 資料6 資格取り、現場で学べ(読売新聞)

第Ⅵ章 英語的思考法――基準はひとつではない
   学生の基礎学力の低下
   日本人的思考法
   英語的思考方法について
   異文化の中で
   学問と真理
   アメリカのルールと日本の常識
   入試の基準がすべての基準ではない

第Ⅶ章 日本の教育現場には意識の変革が必要
   アメリカの学歴と資格のつながり
   大学院で専門知識を学んだことでより有能になる時代がくる
   実社会に出たときに何ができるかを学校では教えるべき
   教育内容・授業方法の改善への取り組み
   教育活動の評価
   多様化・個性化の時代の教育とは

 資料7 日本の教授人事の問題点(朝日新聞)

第Ⅷ章 日本の大学院の実態
   日米の大学院の比較
   私立Q大学法学部大学院出身者Aさん(女性)の話
   国立T大学大学院出身者(心理学専攻)Bさん(男性)の話
   日本の大学院、ここが問題
   大学院の授業の実状
   大学院の入学者選考方法への疑問
   師弟の人間関係
   コースワーク(科目履修)
   大学院卒の教員を鍛える私の方法
   学生の力を伸ばすシステムとは
   日本では教育は安いものだと思われている
   大学院生の文章力はなぜ低いのか
   日本の大学院の授業の実態
   日本の大学院教授の実態
   勉強するかどうかは本人の責任?
   日本の大学院卒業者の悲惨な就職状況
   日本の大学院を良くするには
   東京福祉大学大学院の開設

 資料8 大学院教育の研究(東信堂)
   アメリカ大学院教育のきわだった能力
   「学士課程」と「大学院課程」の役割のバランス
   修士課程
   博士課程
   雇用市場からの需要(じゅよう)
   論文博士
   研究組織
   企業の研究所
   訓練の型

第Ⅸ章 教育の成果――東京福祉大学大学院修士課程における実践
   東京福祉大学大学院における論文指導
   臨床心理士の資格試験とは
   論文作成にあたって大切なこと
   日本では大学院の先生さえも論述展開ができない
   教員の感想文

終 章 私の学校経営歴――東京福祉大学・大学院を創るまで
   英語への取り組み
   劣等感をプラスに転化する
   東京福祉大学

参考・引用文献
資料編

著者略歴

著:中島恒雄
東京福祉大学創立者

ISBN:9784623094431
出版社:ミネルヴァ書房
判型:4-6
ページ数:380ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2022年05月
発売日:2022年06月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN