ヒゲの文化史
男性性/男らしさのシンボルはいかにして生まれたか
著:クリストファー・オールドストーン=ムーア
訳:渡邊 昭子
訳:小野 綾香
内容紹介
男性のヒゲは時代とともに様々な変化を遂げてきた。男性性の象徴ともいえるヒゲの変化は、単なるファッションの一部にすぎないのだろうか? 長い歴史のなかでヒゲは男らしさの指標であり、社会的および政治的権威とも無関係でなかった。本書は紀元前から現代に至るまでの西洋社会において、男性がこぞってヒゲを伸ばした四つの時代を明らかにし、ヒゲの興隆期とヒゲ剃りの時代を対比することでヒゲの歴史の全体像に迫る。
《原著》Christopher Oldstone-Moore, Of beards and Men : the Revealing History of Facial Hair
目次
はじめに──男性のパターンの歴史
第1章 なぜ男にはヒゲがあるのか
1 ヒゲの進化
2 装 飾
3 武 器
第2章 古代文明とヒゲ
1 シュルギ王は神々を喜ばせる
2 ハトシェプストはヒゲつきの権威を手に入れる
3 ダヴィデ王の使者がヒゲを切られる
第3章 古典的ヒゲ剃り
1 アレクサンドロスは世界を変える
2 スキピオはローマを新しい方向へと導く
3 ハドリアヌス帝は賢く選ぶ
4 ユリアヌスは懐旧の思いにふける
第4章 イエスはどうやってヒゲをえたのか
1 イエスは記されたことを否定する
2 古典的なイエス
3 過渡期の数世紀
4 イコンのキリスト
5 教父がヒゲを促す
第5章 内的なヒゲ
1 シャルルマーニュは自分を戴冠させる
2 グレゴリウス七世は一線を画する
3 大修道院長ブルヒャルトは弁明書を著す
4 王ヘンリーはハサミを甘受する
5 王ルイは一線を越える
第6章 ヒゲのルネサンス
1 二人の国王が精彩を放つ
2 ピエリオ・ヴァレリアーノはヒゲ賛成論を展開する
3 探検家と詩人が毛のすばらしい新世界を発見する
4 シェイクスピアはヒゲに脇役を演じさせる
5 マルコ・オルモはヒゲの科学を開拓する
6 ヒゲの女性が割り込んでくる
第7章 理性のヒゲ剃り
1 ルイ一四世はエレガントな姿で現れる
2 ピョートル大帝は大バサミで過去を断ち切る
3 ジャン・ジャック・ルソーは礼儀正しい社会にスキャンダルを巻き起こす
4 ジャック・デュロールは自己主張する
第8章 ロマン主義的想像のヒゲ
1 フリードリヒ・ルートヴィヒ・ヤーンは過去を振り返る
2 ヴィクトル・ユゴーは騒動を起こす
3 ジョゼフ・パルマーは自分のヒゲのために戦う
4 エグリントン卿は中世風にパレードする
5 アルバート公は颯爽とした印象を与える
第9章 工業の時代の家父長たち
1 エイブラハム・リンカンは少女の願いを聞く
2 ルイ・ナポレオンは規則を破る
3 アルバート・スミスはショーで気取る
4 クロフリア夫人は信じられていることを覆す
5 ルーク・フィルズは理想の男を描く
第10章 筋肉と口ヒゲ
1 ウィリアム・ギルバート・グレイスはヒゲを誇る
2 ユージン・サンドウは筋肉で頂点にのし上がる
3 カイザー・ヴィルヘルムは主張する
第11章 二〇世紀──組織の男たち
1 アラビアのロレンスは突撃を率いる
2 クラーク・ゲーブルは気にかけない
3 ヒトラーとスターリンは合意する
4 トマス・デューイは票のために戦う
第12章 左派の毛
1 ジョン・レノンはベッドにいる
2 パウル・ブライトナーは蹴散らして抗議する
3 フランク・ドブソンはただ「否」という
第13章 ポストモダンな男たち
1 ベッカムはルールを曲げる
2 リック・ウォレンはコンテストを主催する
3 マレットの信奉者は復讐する
4 ボストンは再び信じる
5 カール=ハインツ・ヒレは記録をつくる
おわりに──顔の毛がもつ社会的な力
謝 辞
訳者あとがき
注
人名・事項索引
ISBN:9784623094387
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:352ページ
。定価:4500円(本体)
。発行年月日:2023年07月
。発売日:2023年07月03日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。