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入門メディア社会学

編:井川 充雄
編:木村 忠正

紙版

内容紹介

現代のメディアがどのように生成されてきたのかを、その歴史を丁寧にたどりながら解説する、大学1・2年生向けの初級テキスト。メディアの歴史を縦軸に置き、横軸として「社会のなかのメディア」という問題意識を配し、網羅的に学習できるよう構成した。また、「メディア・イベント」や「音楽、地域とメディア」など、さまざまなテーマについても理解を深めるとともに、今後も議論の核となるトピックを豊富に取り上げる。

目次

はじめに


 第Ⅰ部 メディア社会学の歴史的視点

第1章 「コミュニケーション革命」とメディアの変遷(井川充雄)
 1 コミュニケーション・メディアの源流
 2 文字の発明――「第一のコミュニケーション革命」
 3 活版印刷の登場――「第二のコミュニケーション革命」 
 4 近代への胎動
 5 メディアの歴史から学ぶこと

第2章 ニュースの誕生とニュースという知(土屋礼子)
 1 ニュースと新聞の始まり
 2 啓蒙のための新聞政策と大小新聞の成立
 3 国家による新聞統制
 4 ニュースの組織化と新聞学
 5 ラジオと映画とジャーナリズム研究
 6 戦後の新聞とマスコミュニケーション研究

第3章 ラジオとプロパガンダの理論(小林聡明)
 1 武器としてのプロパガンダ・ラジオ
 2 第一次世界大戦とラジオ
 3 戦間期のラジオ
 4 第二次世界大戦期のラジオ
 5 冷戦とラジオ

第4章 日常に溶け込むマスメディア――テレビの普及と効果研究の進展(竇 雪)
 1 テレビの歴史とマスコミュニケーション研究
 2 ニュースの影響力――議題設定理論
 3 テレビ番組が映し出す社会的現実――培養効果理論
 4 マスメディアによる知識の伝搬――知識ギャップ仮説
 5 テレビの台頭が前進させたメディア効果研究

第5章 インターネットがもたらした社会変革(木村忠正)
 1 ストレンジャーシェイミング
 2 インターネットの発展とインターネット研究の展開
 3 技術決定論・社会決定論・関係主義
 4 インターネットコミュニケーション研究を構成する次元と要素
 5 デジタルネイティブの時代


 第Ⅱ部 メディア社会学の理論と方法

第6章 オーディエンス・エンゲージメント――オーディエンス研究の歴史的展開と有効性(高橋利枝)
 1 オーディエンス研究の歴史的展開
 2 アメリカのコミュニケーション研究
 3 イギリスのカルチュラル・スタディーズとヨーロッパの受容理論
 4 日本の情報行動論
 5 オーディエンス研究の有効性

第7章 わたしの中のわたしたち――相互行為としてのメディア・コミュニケーション(是永論)
 1 相互行為という考え方
 2 意味を持つシンボルとしてのメディア――絵文字が意味するもの
 3 メディア上の人物との相互行為
 4 第三者効果と想定上の世論
 5 わたしの中のわたしたち

第8章 メディア・イベント論の新たな拡がり――デジタルメディア環境における社会的「統合」と「分断」(三谷文栄)
 1 メディアを介して経験する大規模なイベント
 2 祝祭としてのメディア・イベントと社会の統合
 3 メディア・イベント論への批判
 4 メディア・イベント論の近年の動向
 5 今日的なメディア・イベント論を考えるために

第9章 メディア社会学における調査分析の基礎(池上 賢)――メディアに関わる現象をいかに捉えるのか?
 1 メディアを解き明かすために何をすべきか?
 2 メディア社会学の量的調査――数量化でわかること
 3 メディア社会学の質的調査――「深読み」からわかること
 4 メディア社会学的調査を実践するために


 第Ⅲ部 メディア社会学の現代的展開

第10章 メディアの発達と変化する音楽実践(井手口彰典)
 1 音楽〔を伝える〕メディア/音楽〔という〕メディア
 2 「音楽〔を伝える〕メディア」の諸相
 3 メディアによる音楽の規定
 4 今日のメディア環境と音楽
 5 結び付ける音楽/切り離す音楽

第11章 メディアにおけるジェンダー表象(藤田結子)
 1 ジェンダーと身体イメージ
 2 メディア・イメージの制作
 3 インターネットとソーシャルメディア
 4 偏見や不平等について考える

第12章 情報技術と社会の再設計――労働からみたメディア社会の変容(和田伸一郎)
 1 AI社会の背景にある「大きな政府」から「小さな政府」,そして「大きな社会」への変遷
 2 アーレントによる古代ギリシア時代の労働観
 3 従来型ビジネスモデルの構造的欠陥の改善
 4 課題と求められる国家の最小限の役割

第13章 地域とメディア(庄司昌彦)
 1 「地域」という社会
 2 双方向コミュニケーションのメディアと地域
 3 地域と人びとの関係とメディア

第14章 メディアとしての最先端技術と倫理(河島茂生)
 1 技術の倫理とは
 2 個人のスコア化および格差問題
 3 サイボーグの倫理
 4 倫理的責任の範囲
 5 山積する重要課題

おわりに
索  引

著者略歴

編:井川 充雄
2022年8月現在
立教大学社会学部メディア社会学科教授
編:木村 忠正
2022年8月現在
立教大学社会学部メディア社会学科教授

ISBN:9784623094271
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:272ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB