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船舶事故調査

タイタニック、洞爺丸から運輸安全委員会まで

著:大須賀 英郎

紙版

内容紹介

2008年、国連専門機関である国際海事機関が、船舶事故調査の国際標準となるコードを新たに定め、わが国でもこれをうけて運輸安全委員会が設立されたが、船舶事故調査に関しては、海事関係者の間でも基本的な理解が欠落、制度に関しても多くの誤解が発生している状況にある。本書は、船舶事故調査に関し、歴史的な縦線と国際的な横線を軸に、わが国が置かれていた位置を明らかにすることで、運輸安全の一層の充実に資することをめざす。

目次

はじめに

第1章 船舶事故調査の国際標準
 1 船舶事故調査のフレームワーク
 2 IMO船舶事故調査コード

第2章 19世紀先進諸国の船舶事故調査制度
 1 イギリスにおける事故調査制度の確立
 2 欧米先進諸国の船舶事故調査制度

第3章 海員審判制度と海難審判制度
 1 草創期の時代の海員審問
 2 海員懲戒法の成立
 3 戦前の海員審判制度批判
 4 海難審判制度への移行
 5 海員懲戒法改正の経緯
 6 審判の基本原則と制度上の問題点

第4章 海難審判の実績評価
 1 日本の重大事故
 2 海難審判が取り扱えなかった重大事故
 3 重大事故の審判(洞爺丸事故)
 4 重大事故の審判(大型貨物船折損・沈没事故)
 5 重大事故の審判(東京湾における衝突事故)
 6 通常事故の審判
 7 海難審判制度の評価

第5章 海難審判制度の構造的問題
 1 海難審判制度批判
 2 不発に終わった海難審判庁による制度見直し
 3 見直し後の海難審判庁と行政当局の動向
 4 海難審判制度の構造的問題

第6章 現代先進諸国の船舶事故調査制度
 1 各国事故調査制度の概観
 2 アメリカの船舶事故調査制度
 3 ヨーロッパの船舶事故調査制度
 4 コモンウェルスの船舶事故調査制度

第7章 海難審判庁から運輸安全委員会へ
 1 改革への胎動
 2 運輸安全委員会の設立
 3 運輸安全委員会の諸問題

補論──最近の旅客船事故に当たって

おわりに

人名索引/船名索引/事項索引

著者略歴

著:大須賀 英郎
2023年7月現在
国際油濁補償基金監査委員会委員,日本海事センター参与

ISBN:9784623093618
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:346ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年08月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TRLN