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やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ

よくわかる流通論

編:番場 博之
編:大野 哲明

紙版

内容紹介

いま流通では、小売、卸、消費者の有り様の変化、様々な産業における改革の波間で、これまでの仕組みに大きな変革が求められている。本書では理論的な基礎知識と、現代の主要テーマを網羅して平易に解説する。マーケティングチャネルの設計のほか、企業間流通、IT、IoTの導入、消費構造、日本や海外の流通政策など、最新の動向を踏まえ、初学者から現場で流通に関わる読者まで幅広く、役立つ書籍となる。

目次

はじめに


 Ⅰ 流通・商業の理論

第1章 流通の基礎理論
 1 流通とは何か?
 2 経済的懸隔
 3 流通機能
 4 流通システム
 5 流通政策

第2章 商業の役割と機能
 1 商業の分化と統合
 2 商業の機能と卸売業
 3 小売業の役割と機能
 4 小売業の諸形態
 5 小売業の組織化とチェーンストアシステム

第3章 商業の基礎理論
 1 商業の存在根拠
 2 商業の両義的性格――商業経済論と流通サービス論
 3 商業の品揃え形成活動と消費生活
 4 小売業態とは何か?

第4章 流通・商業の経済理論
 1 商業経済論体系Ⅰ――商業資本の自立化論
 2 商業経済論体系Ⅱ――自由競争段階の商業
 3 商業経済論体系Ⅲ――独占段階の商業
 4 マーケティングと商業――現代流通法則の解明

第5章 マーケティングの経済理論
 1 寡占とマーケティング
 2 企業的マーケティング論と社会経済的マーケティング論
 3 マーケティングの展開
 4 マーケティングと現代社会


 Ⅱ 現代流通の展開

第6章 流通の経済史
 1 大規模小売店舗法(大店法)成立の背景
 2 大規模小売店舗法(大店法)の成立とその影響
 3 大店法の改正――大型店出店の規制強化
 4 日米貿易摩擦の激化と大型店規制政策の転換

第7章 流通の経営史
 1 経営史における流通,流通企業の経営史
 2 小売業の経営史(百貨店,スーパーマーケットなど)
 3 総合商社の経営史
 4 個別産業の流通経営史

第8章 流通システムの発展
 1 メーカー主導型流通から小売起点型流通へ
 2 延期型流通システムの展開
 3 現代流通の調整機構――市場・階層組織・ネットワーク

第9章 現代消費とマーケティングの展開
 1 マーケティングと消費の相互関係
 2 消費欲望とマーケティング
 3 マーケティングの基底と規範
 4 偶有性とブランド


 Ⅲ 現代流通の諸側面

第10章 情報化と流通
 1 情報化と流通
 2 インターネット社会の流通
 3 求められる流通制度の革新

第11章 マーケティングと消費者行動
 1 マーケティングの発展と高度化する消費分析
 2 消費者行動のミクロとマクロ
 3 消費パターンの歴史的変化

第12章 流通活動と法
 1 流通活動と法
 2 マーケティング活動と競争の確保
 3 マーケティング活動と消費者保護
 4 新たな流通課題への対応:優越的地位の濫用について

第13章 消費経済と流通
 1 消費活動における家計消費と所得の役割
 2 日本の低い完全失業率と非正規雇用の増加
 3 格差の拡大
 4 人手不足の現状と流通業界


 Ⅳ 流通論の新しい潮流

第14章 フードデザート問題と流通
 1 フードデザート問題とは何か?
 2 フードデザート問題の発生要因と流通論の重要性
 3 日本におけるフードデザートの性質
 4 フードデザート問題対策の課題と流通の役割

第15章 食品ロスと流通
 1 食品ロスとは何か?
 2 フードサプライチェーンにおける食品ロスの発生原理
 3 外食産業の食品ロス問題
 4 食の過剰性と貧困問題

第16章 環境問題と流通
 1 地球環境問題と法整備
 2 流通論における環境問題の位置づけ
 3 流通業における環境対策とその意義
 4 流通に関する新しい環境ビジネス

第17章 まちづくりと流通
 1 流通政策の展開とまちづくり
 2 流通論とまちづくり
 3 まちづくり三法
 4 地域商業とまちづくり


 Ⅴ 海外の流通事情

第18章 フランスの流通
 1 フランスの小売業の特徴
 2 フランスの流通企業
 3 フランスの流通政策

第19章 アメリカの流通
 1 巨大市場と流通の特徴
 2 チェーンストアと商取引・制度
 3 熾烈な小売競争と市場動向

第20章 台湾の流通
 1 台湾の流通の特徴
 2 流通政策および新旧小売業への影響
 3 台湾の主要小売業態および小売企業の概況

第21章 韓国の流通
 1 韓国の流通の進化と特徴
 2 韓国の流通政策の変遷
 3 韓国の小売業態の特徴


索 引

コラム
 1 現在に続く定期市
 2 コミュニケーション資本主義における消費者
 3 クリティカル・マーケティング
 4 高度成長期における日用品小売商業の展開と「買物バス」の運行
 5 近江商人の経営遺産
 6 フィンテックで進む電子決済
 7 変革を迫られるアパレル業界
 8 ウォルマート化と「格差社会」
 9 日本における欧米型フードデザート問題発生の可能性
 10 日本の「チラシ」文化と食品ロス
 11 レジ袋有料化とライフスタイルの変化
 12 小売業の海外進出
 13 低価格競争に打ち勝つイギリス食品小売業のown brand戦略
 14 激変する中国の小売流通20年

著者略歴

編:番場 博之
2022年11月現在
駒澤大学経済学部
編:大野 哲明
2022年11月現在
駒澤大学経済学部

ISBN:9784623093274
出版社:ミネルヴァ書房
判型:B5
ページ数:210ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年11月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJS