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新・MINERVA 福祉ライブラリー

ソーシャルワークを「語り」から「見える化」する 43

7次元統合体モデルによる解析

編:平塚 良子

紙版

内容紹介

ソーシャルワークの「見える化」は可能か。多様な 領域で実践するソーシャルワーカー40名へのインタビュー調査によって聞き取ることができた約70の実践事例を、多次元的な認識構造モデル「7次元統合体」を用いて分析。特に、ソーシャルワーカーの実践 知に着目して「価値・目的、視点・対象認識、機能・ 役割、方法、空間(場と設定)、時間、技能」という 「7次元」の相互の動きや関連から、見えにくい・あいまいと評される実践の世界を捉えようとした一冊。

目次

まえがき

序 章 見えにくくあいまいなソーシャルワーク実践
 1 ソーシャルワークの知識構築における問題提起と挑戦
 2 ソーシャルワーク実践の見える化の目的と意義
 3 見える化のための視点と主な特徴
 4 本書における見える化のための具体的展開と説明


 第Ⅰ部 ソーシャルワークの見える化の全体像

第1章 ソーシャルワークの知の発達と課題
 1 ソーシャルワークの実践方法優位の光と影
 2 ソーシャルワークの科学論的動向と課題
 3 ソーシャルワーク実践の認識構造モデル──アートの知の組み直し

第2章 認識構造モデル「7次元統合体」による実践の見える化の方法
 1 認識構造モデル「7次元統合体」の説明
 2 7次元統合体モデルによる見える化の研究設計と展開

第3章 ソーシャルワーク実践の7次元的特徴
 1 実践対象の特徴──実践全体概観1
 2 ソーシャルワーカーの属性と実践基礎データにみられる特徴──実践全体概観2 
 3 ソーシャルワーカーの実践記述データにみられる7次元的特徴──実践全体概観3 


 第Ⅱ部 実践レベルの違いからみる7次元統合体モデルによる見える化

第4章 ミクロレベル実践の見える化
 1 刑務所出所後の生活支援実践──制度未整備の時代において 
 2 医療機関併設の在宅介護支援センターにおける実践

第5章 メゾ・マクロレベル実践の見える化──国の政策・制度新案に対する戦略的実践 
 1 実践初期──在介事業における良質なシステム形成の戦略的展開
 2 実践中期──X市への戦略的な働きかけ
 3 実践後期──政治的・戦略的スキルの発揮に着目して
 4 実践の7次元的考察

第6章 マクロレベル実践の見える化──行政機関におけるソーシャルワーク・プランニング 
 1 実践初期──実態把握
 2 実践中期──事業の企画化
 3 実践後期──事業化に向けた取り組みと事業評価への対応
 4 実践の7次元的考察

第7章 ミクロ・メゾ・マクロレベルの超領域型実践の見える化──宅老所の実践 
 1 実践初期──実践全体のイメージ化:新たな社会関係基盤形成
 2 実践中期──制度を超えた協同の関係構築
 3 実践後期──看取りの共同体の構築
 4 実践の7次元的考察


 第Ⅲ部 複数実践事例の7次元統合体モデルによる見える化

第8章 暴力・虐待により緊急・切迫した状況にある人への実践
 1 実践行為の7次元的分析と全体像
 2 実践行為の7次元的分析と特徴──初期・中期・後期
 3 実践にみられるソーシャルワークの固有性
 4 実践の7次元的考察

第9章 社会生活維持遂行および判断が困難な人への実践
 1 実践行為の7次元的分析と全体像
 2 反福祉的課題の認識と権利擁護──実践行為の特徴1
 3 CLへの地域生活支援と戦略的スキル──実践行為の特徴2
 4 意思ある存在の認識とエンパワメント──実践行為の特徴3
 5 実践の7次元的考察

第10章 社会的に脆弱な家族への実践
 1 実践行為の7次元的分析と全体像
 2 社会的脆弱性に対する認識とライフプロテクションの重視──実践行為の特徴1 
 3 CLの無自覚性に対する認識とエンパワメント志向実践──実践行為の特徴2 
 4 支援困難性の背景にある専門職集団による社会的排除への挑戦──実践行為の特徴3 
 5 実践の7次元的考察

第11章 組織改革・地域組織化の実践
 1 実践行為の7次元的分析と全体像
 2 ソーシャルワークの使命の問い直しと社会変革志向の実践──制度的環境変化の影響への対抗 
 3 福祉サービスの質的低下を抑止するための組織変革──制度的環境の変化を踏まえて 
 4 潜在的地域資源の発掘と戦略的巻き込み──アクションシステムの組織化過程において 
 5 実践の7次元的考察

第12章 「制度」外領域の実践──独立開業のソーシャルワーカーの立場から 
 1 実践行為の7次元的分析と全体像
 2 「制度」外領域の認識とCLのアドボケイト実践
 3 実践の7次元的考察


 第Ⅳ部 ソーシャルワークの見える化の試みと展望

第13章 実践の認識構造と実践根拠の関係
 1 実践的推論──価値と視点・対象認識次元を中心として
 2 戦略的実践行為にみる認識構造と実践レベル

第14章 7次元統合体モデルの到達点と課題──演繹的・帰納的アプローチを通して 
 1 7次元統合体モデルの到達点
 2 仮説論証のための事例研究の方法論的視座──戦略と課題
 3 ソーシャルワークの見える化の新たな地平

あとがき
巻末資料
索  引

著者略歴

編:平塚 良子
大分大学名誉教授

ISBN:9784623092611
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:282ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年05月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS