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六義園・柳沢家の雛祭

『宴遊日記』にみる江戸の人形文化

著:是澤 博昭

紙版

内容紹介

娘の初節句に、雛を飾る風習が確立するのは、江戸の町人文化が形成されはじめる八代将軍吉宗の治世が終わってまもない頃のこと。街は消費文化にうかれ、人々の遊び心が咲き誇り、雛祭は女性と子供の誕生を祝う行事となり、雛人形も多種多様に発展する。愛する女性や子供のために、庶民に混じり流行の雛を買い求める六義園のお殿さま(大和郡山藩主)柳沢信鴻の姿から、町の様子や人々の触れ合い、子供や女性の生活を読み解く。

目次

六義園・柳沢家の雛祭――『宴遊日記』にみる江戸の人形文化 目次

はじめに

序 章 『宴遊日記』と雛祭
 コラム1 柳沢家の系譜――吉保から信鴻まで

第一章 雛祭と宝暦天明文化
 1 江戸の雛祭――武家社会の年中行事
 2 武士の町人風俗への同化――田沼時代の文化
 コラム2 雛人形の名称と種類

第二章 六義園の雛祭――信鴻をめぐる女性・子供たち
 1 六義園の生活と女性たち
 2 安永期の六義園と庭仕事
 3 女児誕生の祝い
 4 雛飾り・女性、そして子供観
 コラム3 次郎左衛門雛の役割――前田家の所縁の雛

第三章 雛祭の背景――はかない乳幼児の命
 1 お律の誕生と通過儀礼
 2 お律の早世
 3 尚石の誕生と死
 コラム4 父からのお土産――お律・おかねのために

第四章 雛の宴――雛市の雑踏と賑わい
 1 にぎやかな雛祭
 2 十軒店の雛市―立ち上る街の雑踏と活気
 3 雛市の賑わい
 コラム5 大槌屋と日野屋

第五章 雛祭の華――憧れの舟月の雛人形
 1 初代舟月とその時代――華美な雛祭
 2 女性のための華やかな雛祭
 3 舟月への執着――雛飾りの確立期
 4 最後の宴
 コラム6 歴代舟月の紹介

終 章 宴のおわり

補 章 幻の雛屋次郎左衛門を追う――岡田家文書と位牌、そして永徳齋

引用文献 
主要参考文献 
おわりに 
索  引

著者略歴

著:是澤 博昭
2022年1月現在
大妻女子大学教授

ISBN:9784623092338
出版社:ミネルヴァ書房
判型:4-6
ページ数:284ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2022年01月
発売日:2022年01月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC6