プライマリー国際関係学
他編:足立 研幾
他変:板木 雅彦
他編:白戸 圭一
内容紹介
本書は、国際関係学を初めて学ぶ読者へ向けた入門テキスト。行き過ぎたグローバリゼーションがもたらす光と影、「異形の大国」中国の動向、そして内部から自壊する可能性を秘めた米中覇権争いの行方……
山積する課題から目をそらさず、21世紀の国際関係を学び研究していくための基盤を提供する。
目次
はしがき
第Ⅰ部 国際関係学とは何か
第1章 国際関係における秩序の形成を目指して(足立研幾)
1 力による秩序の模索
2 国際協調による秩序の模索
3 「国際関係」学の崩壊?
第2章 国際経済から見た国際関係(板木雅彦)
1 生産性,利潤と賃金,成長と消費
2 不等労働量交換と国際分業の形成
3 国内総生産と貿易サービス収支不均衡
第3章 国際関係と「文化」(中本真生子)
1 ナショナリズムと文化
2 ポストコロニアリズムと文化
3 レイシズムと文化
第Ⅱ部 国際関係の分析視角
第4章 国際社会の法秩序と国連の役割(西村智朗)
1 国際法の基本的枠組み
2 国際法と国連
3 国連による国際法の形成と発展
第5章 デモクラシーのジレンマ(川村仁子)
1 デモクラシーの勝利
2 国境を越えるデモクラシー
3 デモクラシーの影
コラム1 デモクラティック・ピース論
第6章 貧困と社会開発(嶋田晴行)
1 貧困と貧困対策の考え方
2 貧困の測り方
3 開発政策の変遷と貧困への対応
4 経済成長と社会開発の意義
5 現代の貧困問題へのアプローチ
コラム2 開発援助の現場から得たもの
第7章 発展途上国の開発問題と持続可能な開発目標(SDGs)(中川涼司)
1 発展途上国の開発問題とその背景
2 地位向上を目指す発展途上国の運動
3 国連ミレニアム開発目標(MDGs)の作成と諸主体の努力
4 国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成状況と持続可能な開発目標(SDGs)への継承
第8章 グローバル化とジェンダー(鳥山純子)
1 ジェンダーとは何か
2 作られた格差としての女性差別
3 なぜ国際関係学でジェンダーを扱うのか
第9章 グローバル化とメディア(大山真司)
1 メディア,コミュニケーション技術,領土化
2 文化帝国主義とアメリカの時代
3 複雑化するメディアフロー
4 グローバルメディアの時代
第Ⅲ部 現代世界を読み解く
第10章 紛争はなぜ起こるのか――シリア内戦と「イスラーム国」から考える(末近浩太)
1 紛争の定義・タイプ・発生要因
2 内戦はなぜ起こるのか
3 シリア内戦の発生・長期化・国際化
4 「イスラーム国」から見る21世紀の紛争の特徴と課題
コラム3 紛争から捉え直す国家
第11章 地球温暖化と人類の選択(林 大祐)
1 地球温暖化の科学
2 地球温暖化防止のための国際制度
第12章 移 民――越境者たちが変える世界(南川文里)
1 国際移民が生きる世界
2 国際移民を規定する制度
3 国際移民と日本
第13章 グローバル化時代の越境組織犯罪――ビジネス・悪漢(ワル)・安全保障(本名 純)
1 拡大する越境組織犯罪のビジネス
2 悪漢(ワル)の世界
3 越境組織犯罪対策
第14章 米中覇権のせめぎあい(中戸祐夫)
1 アメリカによる覇権――戦後国際経済秩序の誕生
2 中国の台頭とアメリカの対応
3 米中覇権競争の行方――パックス・アメリカーナの終焉?
第15章 統合と分断の狭間で揺れるEU(星野 郁)
1 ヨーロッパ統合の歩み
2 統合の飛躍的進展の時代から危機の時代への移行
3 グローバル社会で問われるEUの役割
第16章 「ラストフロンティア」アフリカの胎動(白戸圭一)
1 アフリカ理解の第一歩
2 アフリカの歴史を知ろう
3 アフリカの可能性と課題
コラム4 孤立していなかった北朝鮮:エチオピアで見た「もう一つの世界」
あとがき
索 引
ISBN:9784623091263
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:312ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2021年04月
。発売日:2021年04月30日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS。