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「ブレグジット」という激震

混迷するイギリス政治

著:Stephen Day
著:力久 昌幸

紙版

内容紹介

2016年6月23日の国民投票により開始したイギリスのEU離脱は、どのような経緯で展開したのか。本書では、第一に、政治的出来事(国民投票)と政治過程(離脱交渉と国内政治)の両面について、2016年から2020年にかけての時期を取り上げて描写する。第二に、国民投票で下されたEU離脱という決定のインパクトとその帰結が、イギリスの政治構造および領域構造にどのような影響を与えるのかという問題について検討する。

目次

はしがき

序 章 ブレグジットを見る視点
 1 本書のアプローチ
 2 先行研究の知見
 3 最終カウントダウン
 4 イギリスとEU──歴史的概観
 5 なぜキャメロンは国民投票を行ったのか
 6 各章の概要

第1章 ブレグジットという難問
 1 国民投票結果の再確認
 2 経済的要因と文化的要因
 3 欧州懐疑派の専門化と自信増大
 4 国民投票キャンペーンと離脱派の成功
 5 感情が理性を圧倒した結果としての離脱多数

第2章 混乱のメイ政権期
 1 ブレグジットに対するメイ首相のアプローチ
 2 離脱に向けた準備
 3 離脱交渉の開始
 4 第一段階の完了に向けて
 5 離脱交渉の難航
 6 離脱協定案に関する合意
 7 五カ月にわたる政治的混乱
 8 メイ首相の失敗はどのように理解できるのか

第3章 ジョンソン政権とEU離脱の実現
 1 まったく異なる首相の登場
 2 ボリス・ジョンソンのパーソナリティ
 3 ジョンソン政権発足
 4 違法な閉会
 5 新たな離脱合意
 6 なぜジョンソン首相は再交渉に成功したのか
 7 離脱期限の再度延長
 8 2019年総選挙
 9 EU離脱の実現
 10 賭けに成功したジョンソン

第4章 政党政治の再編成
 1 ブレグジットをめぐる政治の混乱
 2 再編成の歴史
 3 ウエストミンスター・モデルへの挑戦
 4 国民投票の衝撃
 5 2017年総選挙とEU離脱の混迷
 6 2019年総選挙とEU離脱の達成
 7 二大政党制の将来

第5章 ブレグジットと領域政治
 1 領域政治に対するインパクト
 2 イギリスの国家とネイション
 3 権限移譲改革
 4 欧州統合とナショナリズム
 5 離脱をめぐる対立
 6 アイルランド国境問題
 7 連合国家イギリスの将来

終 章 離脱後の展望
 1 離脱最終段階に向けて
 2 ジョンソンの政治手法
 3 将来協定をめぐる交渉
 4 ヨーロッパからアメリカへ
 5 離脱後の疑問

追記
参考文献
事項索引
人名索引

著者略歴

著:力久 昌幸
2021年2月現在 同志社大学法学部教授

ISBN:9784623090631
出版社:ミネルヴァ書房
判型:4-6
ページ数:352ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2021年02月
発売日:2021年02月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH