ミネルヴァ日本評伝選
浦上玉堂
白雲も我が閑適を羨まんか
著:高橋 博巳
内容紹介
浦上玉堂(1745年から1820年)琴士・詩人・画家
幼少の頃より備中鴨方藩に仕えるも、しだいに文人に憧れ、50歳で武士の身分を捨てて 二人の息子を伴って脱藩。七絃琴をたずさえて、全国各地を遊歴する。晩年は京都で自由な文人として風流な生活を送った。江戸時代の文人画家の最高峰の一人と評される浦上玉堂の魅力に迫る
目次
はじめに――ニューヨークの浦上玉堂
序 章 浦上玉堂への細道
1 「ところで、玉堂の絵をご覧になったことがありますか?」
2 『平安人物志』の画家たち
3 『玉堂琴譜』と『玉堂琴士集』
第一章 武士から琴士へ
1 玉堂の生い立ち
2 「止仁録」――主君政香のための鎮魂曲
3 江戸滞在――玉田黙翁・井上金峨との出会い
4 琴を学ぶ
5 母の古稀
第二章 江戸の楽しみ
1 江戸の詩画会
2 古代の琴
3 江戸の琴
第三章 転 機
1 備前岡山藩の環境
2 木村蒹葭堂という星座
3 大目付になる
4 備中の琴――西山拙斎を中心に
5 《南山寿巻》
第四章 文人への傾斜
1 日常から出て
2 『玉堂琴譜』の刊行
3 嵯峨に詩人を訪ねて
4 詩学――六如と淇園
5 寄せ描きの楽しみ
第五章 脱藩前夜
1 《山中結盧図》
2 『詞筵一粲』の詩人たち
3 「斜陽」の偏愛
4 悼亡詩
5 多様な来訪者
第六章 文人への離陸
1 脱 藩
2 寛政六年の動静
3 会津 玉堂 幻想
4 画題の問題
5 君よ知るや南の国
第七章 玉堂清韻
1 独走態勢
2 竹田との往来
3 『采風集』
4 京暮らし
5 最晩年の画境と心境
第八章 近代における玉堂
1 明治の冷淡
2 橋本関雪による転回
3 玉堂ルネサンス――研究略史
引用・参考文献
読書案内
おわりに
浦上玉堂略年譜
事項索引
人名索引