知っておきたい 日本の宗教
編著:岩田 文昭
編著:碧海 寿広
内容紹介
「日本人は無宗教」。そう考えている人が多い日本には、神社やお寺、新宗教などの施設が、実はたくさんあります。
こうした現状を、外国の方にどう説明したらよいでしょうか?
初詣やお墓参りは「宗教」なの?
禅や瞑想を行う日本人は多い?
キリスト教徒やイスラム教徒はどうしている?
水子供養ってなに?
知ってるようで意外と知らない日本の宗教について、必須の基礎知識を身につけられる宗教学入門。??
目次
はじめに
序 章 日本人は無宗教なのか
1 日本人は無宗教か
2 なぜ日本人は自分を無宗教だと思うのか
3 明治維新以降の「宗教」の捉え方
4 宗教について学ぶ意義
第1章 京都の宗教施設を外国人に案内しよう
1 伏見稲荷大社――自然信仰
2 清水寺――現世利益
3 本願寺――伝統仏教と近代化
4 町なかの神仏――市井に生きる宗教
第2章 東京の宗教施設を外国人に案内しよう
1 明治神宮――近代の神社
2 神田神社――江戸と現代の“聖地”
3 浅草寺――神仏分離
4 七福神巡り――民間信仰
第3章 日本人は岩や山を拝んでいるのか
1 神霊が宿るモノ
2 神霊がいる場所
3 自然観とのかかわり
4 現代の自然への信仰
第4章 日本にはどんな聖地や巡礼があるのか
1 四国遍路
2 現代の聖地巡礼
3 世界遺産を歩く
4 信仰なき時代の聖地巡礼
第5章 正月やお盆の行事とはなんなのか
1 正月とお盆の行事
2 年中行事は宗教なのか
3 インフラが作った実践
4 信仰なき実践
第6章 日本の祭りや儀式とは
1 さまざまな祭り
2 祭りの機能
3 通過儀礼
4 祭りの変化
第7章 日本人の休日とは
1 祝祭日
2 紀年法
3 なぜ日曜日が休みなのか
4 元号・六曜
第8章 日本では終活が盛んときいたが
1 終活とはなにか
2 終活ブームの担い手
3 エンディングビジネスの成長
4 終活と宗教のこれから
第9章 日本の墓とはどんなものか
1 お盆は家族で墓参り
2 さまざまな世界の墓
3 日本の家墓
4 日本が抱える墓問題
第10章 日本の政治と宗教の関係はどうか
1 近代における政治と宗教
2 西洋の政教分離
3 イスラームは政教分離か
4 日本の事例を考える
第11章 学校に「宗教」の時間はないのか
1 政教分離の下での宗教教育
2 宗教教育の類型
3 畏敬の念と宗教的情操
4 外国の宗教教育
第12章 日本人は戦死者をどのように追悼してきたのか
1 靖国神社とはなにか
2 戦後の靖国問題
3 政教分離の問題
4 海外の事例とこれから
第13章 天皇制とはなにか
1 天皇の祭り
2 「現人神」の時代
3 天皇と神と仏
4 象徴天皇制の宗教性
第14章 新宗教とはなにか
1 現代日本の宗教アレルギー
2 庶民の宗教
3 生命主義的救済観
4 新宗教は今?
第15章 日本の大学に危険な宗教サークルはあるのか
1 危険な宗教はどれですか?
2 「カルト」とはなにか
3 「洗脳」再考
4 「カルト」と私たち
第16章 キリスト教はどのように受容されているのか
1 キリスト教はどんな宗教か
2 日本におけるキリスト教
3 近世社会とキリシタン
4 近代日本のキリスト教
第17章 イスラム教徒用のレストランはあるのか
1 食と宗教
2 イスラームの場合
3 食と日本人
4 グローバル化と食文化
第18章 日本の宗教は苦しむ人をたすけているか
1 傾聴する宗教者
2 刑務所で話を聞く教誨師
3 緩和ケアを支援する宗教者
4 なにを聞くのか、役に立つのか
第19章 坐禅する外国人が多いのか
1 伝統宗派としての禅宗
2 禅宗から禅思想へ
3 禅からZenへ
4 禅と日本文化の関係
第20章 日本人はどんな瞑想をしているのか
1 習い事をモデルにした「朝活禅」
2 内観という自己理解の方法
3 マインドフルネスと医療
4 変性意識状態としての瞑想
第21章 なぜオカルトブームが起こるのか
1 オカルトとはなにか
2 戦後日本のオカルトブーム
3 ブームの社会背景
4 オカルトブームの終焉
第22章 日本の神話や物語にはどんなものがあるか
1 日本の神話はどう読まれてきたか
2 古典文学のなかの仏教
3 近代の文学と宗教
4 宗教とメディア
第23章 東アジアとの関係はどうか
1 大陸からの宗教の伝来
2 台湾・中国の宗教状況
3 韓国の宗教状況
4 韓国のキリスト教
第24章 日本の僧侶は結婚しているのか
1 日本仏教の特異性
2 仏教の日本化
3 戒律と日本の僧侶
4 日本仏教を評価する
第25章 女人禁制とはなにか
1 女性は土俵に上がれない?
2 宗教と男女差別
3 男女平等をめざして
4 宗教と女性のゆくえ
第26章 水子供養とはなにか
1 亡くなった子のために
2 中絶の歴史
3 水子供養のブーム
4 中絶に対する考え方の違い
第27章 クローン人間をつくっていいのか
1 いのちを「つくる」
2 いのちを「つくり変える」
3 宗教と生命倫理
4 いのちの未来
第28章 人は縄文時代のなにに惹かれるのか
1 縄文時代の人気
2 枢軸の時代と宗教の進化
3 新霊性運動・文化
4 宗教と自己形成
おわりに
参考文献
索 引
執筆者紹介
ISBN:9784623090006
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:268ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2020年10月
。発売日:2020年10月26日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRAX。