シリーズ・人間教育の探究 4
人間教育の教授学
一人ひとりの学びと育ちを支える
監:梶田 叡一
監:浅田 匡
監:古川 治
内容紹介
本書では、「主体的な力」「自己をわかる力」「自己成長を追究する力」「価値の深まりを追究する豊かな内面性」を育てるための人間教育の教授学のあり方、ひいては日本の教育に必要な教授学のあり方を探求する。まず、人間教育を実現するための教授学の基本となる考え方やこれまで我が国で行われてきた授業改革から学ぶべき点などを示す。そして、生きていくために必要となる様々な力やスキルを授業の中でどのように具現化していくのかを考える。
目次
プロローグ 人間教育の教授学(ペタゴジー)を追究して
第Ⅰ部 人間教育の教授学の基本
第1章 学力保障と成長保障の両全とは
1 氷山の学力観
2 目標づくりと授業設計
3 子どもへのかかわり
4 形成的評価を活用した授業展開と学力・成長保障
第2章 個性を伸ばすとは
1 個と個性
2 心の成立ち
3 個性化のプロセス
4 願わくは内なる社会福祉を
5 個性を伸ばすということ
第3章 人間教育を進めるために求められること──教科学習を介して何を培うのか(目標分析と目標構造図)
1 子どもの資質と能力の育成をめざす価値のある深い学びとは
2 ねらいとねがいを大切にした深く学べる授業の展開
3 子どもが主体的・対話的に考え、活動できる学習指導の展開
4 指導者の授業力を向上させる
5 教科学習で価値のある深い学びを
第4章 子どもにとっての授業の意味を考える
1 希望としての授業
2 授業が希望でなくなるとき
3 空気を読むことと授業
4 授業における当事者性
第5章 人間らしさのある学びが成立する教材の条件
1 人間らしい学びと教材の関係
2 主体的な学びを保障する教材
3 二つの教育研究グループの教材
4 学習者にとって望ましい教材とは
第6章 これまでの授業改革が人間教育の教授学に示唆すること
1 学校と教師が活用できる価値を求めて
2 これまでの授業改革は何を示唆しているのか
3 授業改革が示唆するものと人間教育
第Ⅱ部 人間教育を具現する
第7章 学習意欲を高める授業──学び続ける子どもに
1 学習を始める契機
2 学習を方向付けること
3 学習を続けていくこと
第8章 科学的な思考力・判断力・表現力を育てる授業──自ら考え、判断し、表現する子どもの育成をめざして
1 思考力の育成と「すべ」
2 判断力の育成と「すべ」
3 表現力の育成と「すべ」
4 思考力・判断力・表現力の「すべ」を具現化する問題解決過程
5 思考力・判断力・表現力を育成する理科の事例
第9章 円滑な対人関係の基盤となるソーシャルスキルを育てる授業──人との関わりの意義
1 社会で主体的に生きるためのソーシャルスキルの発達
2 ソーシャルスキルトレーニングとは
3 エビデンスをもとにした実際の授業案
4 感情リテラシーを重視した取り組み
5 心理教育としてのソーシャルスキルトレーニングの発展
第10章 ものづくり・生きるためのスキルを育てる授業──現代社会を生き抜くために
1 人間として尊厳を持って生きる
2 地方分権化時代の地域密着型ものづくり教育の挑戦
3 SNS世代が主導する新時代のものづくり教育とその協同性
4 “生きづらさ”に直面する工業高校生に自信と希望を育む
5 人間的教養としての批判的精神・無用のフィロソフィ
第11章 人間教育としての言葉の教育
1 人間教育として言葉の教育に求められる資質・能力
2 言語生活を基盤として養われる言葉の能力や態度
3 効果的に言語運用する能力や態度の育成
4 異質な他者と対話する能力や態度の育成
第12章 自らの身体を考える授業──身体知、健康、体力など、身体的自己とつなぐ
1 教科としての体育に期待されている多様な成果
2 良質の体育の提案
3 戦術学習モデルに基づく授業の成果
4 協同学習モデルに基づく授業の成果
第13章 インクルーシブな保育や教育──一人一人がユニークな存在であることからはじめる教育
1 日本におけるインクルーシブ教育システム
2 幼児期一人一人の発達過程に応じた教育と保育
3 学齢期子どもの教育的ニーズに応える多様な学びの場
4 共生社会の担い手を育む
エピローグ 子どもの学びを真に支援する
索 引
ISBN:9784623088461
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:280ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2021年01月
。発売日:2021年01月19日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN。