シリーズ・人間教育の探究 3
教育における評価の再考
人間教育における評価とは何か
監:梶田 叡一
著:浅田 匡
著:古川 治
内容紹介
本書では、生物的存在としてのヒトが成熟した大人としての人間へと豊かに成長・発達するために、どのような教育評価が必要なのかを考察し、提言していく。単なる結果の「ネブミ」ではない、学習者自身のよさや成果を見取り、自己学習能力や意欲などを高める「評価の教育性」に注目する。そして、教師の立場・管理運営の立場・学習者の立場それぞれの観点から、評価の意義について探求していく。
目次
プロローグ 人間教育におけるひとがひとを育てる評価(古川 治)
第Ⅰ部 学ぶこと教えることの評価の基礎・基本
第1章 教育評価の基本──教育の質を保証するために(西岡加名恵)
1 教育評価とは何か
2 2017年改訂学習指導要領における目標論
3 「逆向き設計」論に基づくカリキュラム設計
4 日本における展開と今後の課題
第2章 評価基準として教育目標を考える(浅田 匡・遠山孝司・細川和仁)
1 なぜ教育目標が評価基準なのか
2 「学力」を評価すること
3 評価基準としての教育目標を考える
4 子どもの学習をすべて評価できるのか
5 自分自身を高める評価の役割とは
第3章 授業の評価(河野麻沙美)
1 「授業の評価」を支える行為
2 学びの質的転換と授業の評価
3 評価を生かし,実践を改善するプロセス
4 授業の多層的・多角的な評価
第4章 カリキュラムを評価する(安彦忠彦)
1 教育課程評価とカリキュラム評価の異同
2 カリキュラム評価の目的と活動内容
3 カリキュラム評価はカリキュラム・マネジメントの一部
4 カリキュラム評価の生かし方
第5章 学校を評価する(曽余田浩史)
1 学校評価の目的と形態
2 学校マネジメントとしての学校評価
3 組織観が変われば学校評価も変わる
第6章 教育における評価の意義(梶田叡一)
1 「学びと育ちの見極め」を踏まえて次のステップに
2 学ぶ側における評価の意義は何か
3 指導する側における評価の意義は何か
4 教育を管理運営する側における評価の意義もまた
5 多面的総合的評価に向けポートフォリオ的な運用を
6 教育的機能を十分に果たす評価に絞りこんでいきたい
第Ⅱ部 評価することとひととしての成長
第7章 学習意欲を育てる評価(伊藤崇達)
1 学習意欲とは何か
2 どのような評価によって学習意欲は育まれるか
3 自律的な学習意欲と自己評価──自己調整学習の見地から
4 自律的な学習意欲を育てる実践に向けて──自己評価によって自ら学ぶ力を育てる
第8章 自己を育てる評価──自己を評価する(天谷祐子)
1 自己概念の形成
2 自己評価(概念)維持の方略
3 自己評価とパフォーマンス
4 自尊感情
5 自己評価と自律的学習
第9章 キャリア教育と評価(三川俊樹)
1 キャリア教育の基本的な考え方
2 キャリア発達の評価
3 キャリア教育によるキャリア発達の評価
4 キャリア教育における「見取り」と「点検」──子どもたちの変容と教育活動の把握
第10章 「わかること」と評価(遠山孝司・浅田 匡)
1 学習者の「わかる」とは
2 学習者の「わかること」と教師による評価
3 「ひととしての成長」につながる「わかること」と評価
第11章 「できること」と評価(北村勝朗)
1 「できること」とは何か
2 「できること」の学び
3 「できること」を育てる
4 「できること」の評価
エピローグ 人を育て,人が育つ評価を(浅田 匡)
索 引
ISBN:9784623088454
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:256ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2021年03月
。発売日:2021年04月13日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN。