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世界が変わる学び

ホリスティック/シュタイナー/オルタナティブ

著:吉田 敦彦

紙版

内容紹介

近代教育のパラダイムを問い直したホリスティックなヴィジョン、その実践的なモデル事例であるシュタイナー学校づくりの日本での展開、ユネスコ・ESDや多様な学びを推進するオルタナティブ教育のムーブメント、そして、ケア・福祉と教育のホリスティックな協働へ。本書では、これらの実践と研究の最前線に立ってきた著者の30年間の軌跡を振り返ることを通して、これからの時代の学びの在り方を考える。

目次

はじめに

序 章 【旅のはじまり】 もうひとつの教育をたずねて
 1 〈いのち〉の現在、もうひとつの教育──自死した子どもたちの声に寄せて
 2 〈いのち〉を表現する暮らしと子ども──グァテマラ高原・手織りの世界から
 3 〈今・ここ〉を生きる子どもたち──近代文明がタブー視してきたもの

第1章 【一九九〇年代】 ホリスティックな教育ヴィジョンと出会って──〈近代〉の世界観を問い直す 
 1 近代教育を超えて──メキシコの自律共生社会から
 2 いのちの織物──北米の「ホリスティック教育」との出会い
 3 オルタナティブスクールと公教育の連携──キーワードは「ホリスティック」
 4 今なぜ「ホリスティック教育」か──つながりを見て取る視座
 コラム① 私につながるすべてのものたちへ──スエットロッジ体験記
 5 喜びはいじめを超える──いじめ問題へのホリスティックアプローチ
 6 色彩表現の中で出会う〈内〉と〈外〉──シュタイナー教員養成講座から
 コラム② みどり色の不思議

第2章 【二〇〇〇年代】 シュタイナー学校とともに歩んで──座右にはブーバーの対話哲学 
 1 シュタイナー学校との出会い──先生のこころを込めた教室
 2 なぜシュタイナー学校づくりに参加したか──バイオグラフィー
 3 ゆっくりじっくり歩むシュタイナー教育
 コラム③ 「市民がつくる非営利の学び舎」の公共性──全国調査より
 4 シュタイナー学校の成長プロセス──誕生した学校とともに歩んで
 5 語る、その声と言葉の秘密──シュタイナー教育とM・ブーバー
 コラム④ ヘッペンハイムの「ブーバーの家」──対立する宗教間の対話の拠点
 6 物語と出会いと対話──言葉を失う沈黙の深みから
 コラム⑤ 怒りを伝え、聴きとる対話の回路──テロとの戦争の時局の中で

第3章 【二〇一〇年代】 オルタナティブな学びと公共世界の対話──ユネスコ、多様な学び、ESD 
 1 NPO立シュタイナー学校の「ユネスコスクール」認定──その意義と展望 
 2 フリースクール等のオルタナティブ教育機関の概要
 3 もうひとつの学び場づくりの三〇年──「日本シュタイナー学校協会」創設に寄せて 
 4 オルタナティブ教育の制度的保障に向けて──多様な学び保障法から教育機会確保法へ 
 コラム⑥ 第四回多様な学び実践研究フォーラムの報告
 5 「シュタイナー教育基本指針」の意義──幼小接続と公共社会との連携
 6 NPO立サステイナブルスクールの存在感と公益性──ホールスクール・アプローチで培う学校文化 
 7 ESDへのホリスティック・アプローチ──文化・変容・ケア

第4章 【旅の途上で】 ホリスティックなヴィジョンの新たな展開──ケア・福祉との協働へ 
 1 ケアリング──ホリスティックな教育と医療の原点
 2 ケアの三つの位相──〈ひとり〉と〈みんな〉のあいだの〈ふたり〉
 3 「教育-福祉(Edu-care)」探求の意義と諸相──ケアの視点へ
 4 〈教育的まなざし×福祉的まなざし〉の複眼的アプローチ
 5 教育とケアのホリスティックな出会い──包摂、対話、同源
 コラム⑦ 応答的自由、あるいはケアの水平軸と垂直軸

終 章 【終わらない旅】 世界が変わる学び
 1 平成三〇年間の社会変動と教育改革の動向
 2 「対話的で深い学び」──未来の予測困難な時代への応答
 3 世界が変わる学び──シュタイナー教育一〇〇周年のテーマから
 4 ホリスティックのオルタナティブ性──そこを超えて、もっと遠くへ

おわりに

著者略歴

著:吉田 敦彦
2020年4月現在
大阪府立大学副学長、人間社会システム科学研究科・教育福祉学類教授

ISBN:9784623088201
出版社:ミネルヴァ書房
判型:4-6
ページ数:284ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2020年04月
発売日:2020年04月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA