公認心理師の基本を学ぶテキスト 9
感情・人格心理学
「その人らしさ」をかたちづくるもの
監:川畑 直人
監:大島 剛
監:郷式 徹
内容紹介
公認心理師カリキュラムにおける必修科目「感情・人格心理学」では,「感情に関する理論及び感情喚起の機序」「感情が行動に及ぼす影響」「人格の概念及び形成過程」「人格の類型,特性等」を学ぶこととされている。本書はこのカリキュラムに対応して,感情や人格とは何か,人間の生活においてそれらはどのような働きをするのか,感情や人格は「自己」とどうかかわるのか等を解説する。研究の視点や知見を持った実践者になるためのテキスト。
目次
公認心理師の基本を学ぶテキスト 監修者の言葉
序 章 感情とパーソナリティに関する心理学(中間玲子)
1 はじめに
2 感情に関する言葉の問題
3 人格をめぐる言葉の問題
4 本書の構成
第Ⅰ部 感情心理学
第1章 感情の定義と理論――心と身体をつなぐもの(宇津木成介)
1 感情の定義
2 感情発生の機序と障害
3 感情の理論
4 念頭におくべき二つのこと
第2章 感情の生起――感情の多様なメカニズム(伊藤美加)
1 感情の脳内メカニズム
2 感情の認知メカニズム
3 感情と認知に関する包括的理論
コラム エモーショナル・デザイン
第3章 感情と行動――感情の働きと合理性(木村健太)
1 感情の適応的意義
2 感情と行動
3 感情と社会的行動
4 感情の合理性を理解する意義
第4章 感情の失調と制御――感情とかしこくつき合うには(川本哲也)
1 感情制御
2 感情の失調
3 感情知性の理と応用
第Ⅱ部 人格心理学
第5章 パーソナリティの定義――パーソナリティはどのような枠組みで考えることができるのか(小塩真司)
1 パーソナリティとは
2 類型論
3 特性論
4 類型と特性の特徴
第6章 パーソナリティの測定――自他の多面的な理解のために(稲垣 勉)
1 パーソナリティ測定の方法
2 測定の視点
3 パーソナリティの測定に際しての留意点
コラム 顕在的・潜在的自尊感情の不一致と精神的健康
第7章 代表的なパーソナリティ理論――パーソナリティはいくつの次元で表現されるのか(小塩真司)
1 因子モデル
2 クロニンジャーのモデル
3 グレイのモデル
コラム ダーク・パーソナリティ
第8章 パーソナリティの形成――「その人らしさ」はいかに形づくられるか(川本哲也)
1 遺伝と環境
2 パーソナリティの発達
3 パーソナリティの病理をめぐる理論
第9章 パーソナリティの病理―─力動的な見方を臨床実践に生かす(田中健夫)
1 病理的なパーソナリティをとらえる視点
2 病理的な人格の特性──パーソナリティ障害
3 力動論から見たパーソナリティの構造と病理
第Ⅲ部 自己と感情とパーソナリティ
第10章 自己と感情――私たちの行動を大きく揺さぶるもの(中間玲子)
1 自己意識的感情
2 自己意識的感情の生起機序
3 自己評価の過程
第11章 自己と認知――私たちは世界をどうとらえているのか(中間玲子)
1 認知的枠組みとしての自己
2 自己についての様々な認知が行動に及ぼす影響
3 文化と自己
第12章 自己とパーソナリティ――健康なパーソナリティとは何か(中間玲子)
1 健康なパーソナリティとは何か
2 アイデンティティ
3 健康的なパーソナリティをめぐる多様な視点
第13章 自分らしく生きるために――キャリア選択と支援(安達智子)
1 キャリア選択とは
2 ジェンダーとキャリア
3 自分らしく生きるために
コラム 隠れたカリキュラム
索 引
ISBN:9784623087105
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:216ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2020年10月
。発売日:2020年09月29日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM。