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表現文化の社会学入門

編著:粟谷 佳司
編著:太田 健二

紙版

内容紹介

表現文化論の入門書。現代文化の諸相について社会学からメディアや文化研究の基礎を、表現活動を中心とした文化を学びながら考えていく。文化という概念はさまざまな論者によって議論がされてきている。私たちはこれらの理論を学ぶことによって、社会における文化という現象を理解する方法を手に入れることができる。

目次

はじめに


 第1部 表現文化の社会学入門

第1章 表現と文化の研究へ
 1 文化とは何か
 2 カルチュラル・スタディーズと文化、空間の社会理論
 3 公共圏、オーディエンス、空間
 4 メディア文化におけるテクノロジーの問題

第2章 「ホンモノ」らしさをめぐる理論──ベンヤミン、アドルノ、ボードリヤール
 1 ベンヤミンの「オーラ(aura)」概念
 2 アドルノのポピュラー音楽批判
 3 ボードリヤールの消費社会論

第3章 社会階級と文化─ブルデュー
 1 実践の概念とハビトゥス、場、資本
 2 美術の場の分析
 3 文化生産の場内部の関係構造
 4 文化生産の場による生産と諸階級による消費の関係性

第4章 音楽文化オムニボア─ピーターソン
 1 文化オムニボアの議論の背景
 2 職業集団という視角からの音楽趣味の分析
 3 ピーターソンの文化オムニボア論
 4 仏、英における文化オムニボアに関する調査
 5 日本における音楽趣味と文化オムニボアに関する調査

第5章 メディア、テクノロジーと文化──マクルーハンから文化研究の諸相
 1 マクルーハンのメディア論
 2 マクルーハンから空間とテクノロジーの文化研究へ
 3 グローバル化の諸相とテクノロジーの文化
 4 メディア、テクノロジー、「空間」、「時間」

第6章 戦後日本の文化研究──鶴見俊輔と吉本隆明の文化論
 1 鶴見俊輔の文化研究─限界芸術論
 2 市民運動と文化の位相
 3 鶴見俊輔における「大衆」と文化
 4 吉本隆明とマス・イメージ
 5 大衆文化への方法論

第7章 サブカルチャーズの場所
 1 表現文化としてのサブカルチャーズ
 2 創出の場としての大都市
 3 増幅の場としての大都市
 4 「もう一つの地域文化」としてのサブカルチャーズ
 5 地方のサブカルチャーズの研究に向けて


 第2部 現代文化の諸相

第8章 「コト消費」と「現場」──クラブカルチャーからみる「現場」の変容
 1 「コト消費」──音楽の「現場」
 2 DJと「現場」
 3 VJと「現場」
 4 「つなぐ/つながる」ための「現場」
 5 「現場」に対する規制

第9章 青文字系Kawaii Cultureにみる音楽アイデンティティー
 1 音楽アイデンティティーという概念
 2 現代日本の象徴「Kawaii Culture」
 3 青文字系Kawaii Cultureの歩み
 4 形成要素① ファッション
 5 形成要素② 象徴的場所
 6 形成要素③ ICTの発達

第10章 表現行為としてのプラットフォーム形成──ネットレーベルとサブスクリプション型音楽配信サービスの諸問題
 1 デジタル化・ネットワーク化する音楽
 2 2010年代前半までの日本のネットレーベル
 3 ネットレーベルの成立を可能にした条件
 4 分水嶺としての2015年とネットレーベルの限界
 5 商用プラットフォームによるインターネット空間の再編成

第11章 コンテンツ産業と〈日本(人)〉イメージ──ポピュラー音楽文化を事例に
 1 「クールジャパン」と「日本ぼめ」
 2 〈日本(人)〉とオリエンタリズム
 3 オリエンタリズムとポピュラー音楽
 4 〈日本(人)〉イメージを形成するもの

第12章 大阪万博をめぐる表現文化
 1 日本の現代音楽とミュージック・コンクレート、電子音楽、大阪万博における音楽
 2 鉄鋼館とスペース・シアター
 3 せんい館──環境芸術と音楽の展示
 4 音楽と言葉による表象と万博をめぐる表現文化の動向


人名・グループ・団体名索引/事項索引/作品・著作索引

著者略歴

編著:粟谷 佳司
2019年9月現在
立命館大学立命館アジア・日本研究機構客員研究教員(准教授)
編著:太田 健二
2019年9月現在 四天王寺大学准教授

ISBN:9784623086610
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2019年09月
発売日:2019年09月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ABA