目次

はしがき
ＥＵの主要機関の名称の変遷
ＥＵ基本条約
略語・略称一覧

序　章　世界史の中の欧州統合（益田　実）
　１ 欧州統合前史――欧州統合の起源と意味
　２ 統合史研究の系譜
　３ 本書のねらいと構成


　第Ⅰ部　欧州統合のはじまり

第１章　超国家的統合の始動と欧州石炭鉄鋼共同体の形成――戦間期から1950年代初めまで（益田　実）
　１ 戦間期から第二次世界大戦中の欧州統合構想
　２ 冷戦、アメリカ、マーシャル・プラン
　３ 連邦主義的統合運動の到達点――ハーグ会議から欧州審議会へ
　４ シューマン・プランによる欧州石炭鉄鋼共同体の形成
　コラム１ - １ ジャン・モネ
　コラム１ - ２ 独仏関係とアルザス＝ロレーヌ問題

第２章　欧州防衛共同体の挫折と欧州経済共同体の形成――1950年代の統合と「共同市場」という選択（益田　実）
　１ 西ドイツ再軍備と欧州防衛共同体構想
　２ ヨーロッパの再発進――メッシーナ会議とスパーク委員会
　３ ローマ条約――欧州経済共同体およびユーラトムの成立
　４ イギリスによる共同市場への対抗提案――自由貿易地域構想
　コラム２ - １ 独仏関係とザール問題
　ロング・コラム１ 米ソ対立と欧州統合――冷戦を背景にした超大国の関与（益田　実）

第３章　加盟国拡大と政治協力の起点――イギリスの欧州経済共同体への第一次加盟申請とエリゼ条約、1958〜1963年（小川浩之）
　１ ドゴール外交と欧州統合
　２ 「六カ国」と「七カ国」
　３ イギリスの欧州経済共同体への第一次加盟申請
　４ 政治連合提案からフーシェ・プランへ
　５ イギリスの欧州経済共同体加盟交渉の挫折
　６ エリゼ条約と「仏独枢軸」
　コラム３ - １ ＥＦＴＡの内部機構
　コラム３ - ２ 幻の第１次拡大


　第Ⅱ部　欧州統合の模索

第４章　草創期の欧州経済共同体――1960年代の危機と欧州統合（山本　健）
　１ ローマ条約の発展
　２ 共通農業政策
　３ 空席危機とルクセンブルクの妥協
　４ イギリスの第二次加盟申請
　コラム４ - １ その後のユーラトム
　コラム４ - ２ アキ・コミュノテール

第５章　欧州統合の新段階――長い1970年代の光と影（黒田友哉）
　１ ハーグ会議――完成、深化、拡大
　２ 通貨統合の機運――初の通貨統合の試み
　３ 制度的発展――欧州理事会の創設、欧州議会の直接選挙
　４ 「価値の共同体」の胎動――民主主義、人権、ヨーロッパ・アイデンティティ
　コラム５ - １ イギリス初の国民投票
　コラム５ - ２ ＥＣ・アジア関係（中国、インド、ＡＳＥＡＮ）

第６章　欧州統合の再出発――単一欧州議定書とマーストリヒト条約、1984〜1993年（池本大輔）
　１ 単一欧州議定書の締結
　２ 冷戦終結と経済通貨同盟
　３ 欧州共同体予算の改革
　４ 政治統合の進展
　コラム６ - １ サッチャーと欧州統合
　コラム６ - ２ 旧ユーゴスラヴィア連邦内戦とＥＵ


　第Ⅲ部　欧州連合の時代

第７章　冷戦後世界へのダイビング――1990年代の野心と不安（山本　直）
　１ 欧州連合における政治・行政システムの構築
　２ 第四次拡大――15カ国の欧州連合へ
　３ 人権外交の展開
　４ アムステルダム条約による改革
　５ ミレニアムの欧州連合へ
　コラム７ - １ ＥＵの教育政策
　コラム７ - ２ ＥＵの環境政策
　ロング・コラム２ 「民主主義の赤字」（山本　直）

第８章　ビッグ・バン拡大からリスボン条約へ――危機の序章としての2000年代（東野篤子）
　１ ニース条約への道
　２ 第五次拡大の実現と新たな拡大プロセス
　３ 近隣諸国政策の展開と対ロシア関係の低迷
　４ 欧州憲法条約の策定と挫折
　５ リスボン条約へ
　６ 安全保障アクターとしての欧州連合の発展
　コラム８ - １ ＥＵとトルコ
　コラム８ - ２ ＥＵとはいかなる「パワー」か？

第９章　試練の中の欧州連合――2010年代とブレグジット（山本　健）
　１ 欧州連合の発展
　２ 単一通貨の試練
　３ 押し寄せる難民
　４ イギリスの欧州連合離脱
　５ イギリス離脱後の欧州連合
　コラム９ - １ 最も成功した共通政策――ＥＵ競争政策
　コラム９ - ２ 共通農業政策の今


あとがき
欧州統合史年表
事項索引
人名索引