ミネルヴァ日本評伝選
式子内親王
たえだえかかる雪の玉水
著:奥野 陽子
紙版
内容紹介
虚構の歌に、真(まこと)あり…
院政期女流歌人が拓いた地平。
賀茂斎院をつとめ、藤原俊成を師とし、『新古今和歌集』第一の女流歌人となった後白河院皇女、式子内親王。定家との出会いを通じて深めた虚構の歌の世界には、人生とこの世に対する思索が底流する。その到達点を探る。
目次
はしがき
第一章 斎院以前
1 「玉の緒よ」歌と「山深み」歌の方法
2 名について
3 式子の生まれ
第二章 斎院時代
1 賀茂斎院となる
2 斎院を退下する
第三章 定家に出会うまで
1 退下後のくらし
2 『千載集』入集
3 歌の道のみちびくままに――定家と式子
第四章 二つの百首歌
1 式子内親王出家の事
2 後白河院崩御
3 二つの百首歌――A百首
4 二つの百首歌――B百首
5 経房邸で
第五章 晩年の式子内親王
1 大炊殿の日々
2 月次絵巻
3 俊成『古来風躰抄』
4 最後の百首歌
5 臨終の床で
第六章 伝説の式子内親王
1 謡曲「定家」
2 浄瑠璃の世界の二人
第七章 式子内親王と和歌
1 式子内親王の歌
2 和歌史の歩みとともに
参考文献
あとがき
式子内親王略年譜
引用和歌索引
人名索引