世界を翻弄し続ける中国の狙いは何か
二〇一四~二〇一五年
著:濱本 良一
内容紹介
集団指導体制から習近平の強烈なリーダーシップによる一極支配体制へと変貌した共産党政権。「一帯一路」構想、AIIB、南シナ海問題、台湾民主化運動――「新常態(ニューノーマル)」の時代へとはいった中国と世界情勢の変化をたどる。外交、内政、経済など各分野での中国の動向を追う「シリーズ・チャイナウォッチ」待望の第三弾。
目次
はじめに
第一章 着々と進む習近平集権化
1 中国が尖閣上空に防空識別圏を設定
2 習近平総書記が「改革深化領導小組」組長に
3 進む権力掌握、習派閥が出来上がる
4 全人代で目標を「7・5%前後」に
第二章 世界情勢の急変に対応する中国
1 露クリミア併合でも“中立”の習近平
2 アジア再均衡の深化を目指すオバマ大統領
3 天安門事件から四半世紀、民主化進まぬ中国
4 進む軍幹部の摘発、“虎退治”が始まる
第三章 香港で「雨傘運動」、形骸化進む「一国二制度」
1 北戴河会議直前に周永康を摘発
2 習氏が抗日勝利六九周年で厳しい対日観
3 “中国式”香港長官選挙に学生が座り込み抗議
4 APEC北京会議で見せた習氏の全方位外交
第四章 汚職追放キャンペーンが一段落
1 周永康の党籍剥奪と刑事責任追及を決定
2 胡・前総書記の最側近だった令計画も摘発される
3 太子党が操る中国企業の錬金術が明るみに
4 両会は内政・外交とも習近平色に染まる
第五章 南シナ海とサイバーで対峙する米中両国
1 AIIBに57カ国が参加、日米は模様眺め
2 南シナ海の岩礁拡張で米国が中国を牽制
3 周永康の無期懲役で汚職摘発は一段落
4 中国株が乱高下してGDP成長率は横ばい
第六章 後退が顕著になった中国経済
1 人民元を市場価格へ誘導、景気下振れ防止を目指す
2 景気不安の中で抗日勝利70周年軍事パレード
3 中国の四半期GDPが遂に7%割れ
4 次期「五カ年計画」で一人っ子政策を廃止
注
おわりに
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