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コミュニティ・スクールの成果と展望

スクール・ガバナンスとソーシャル・キャピタルとしての役割

著:佐藤 晴雄

紙版

内容紹介

現代のコミュニティ・スクールは、その捉え方や態様が多様化している。その目的である保護者や地域住民の学校経営への参画、それに対する校長の成果認識や評価への影響は様々である。また、学校支援活動など、ソーシャル・キャピタルとしての期待が全国的普及の要因にもなっている。本書は、全国の学校運営協議会設置規則の詳細な調査から、タイプ別の特徴を析出し、それぞれの有効性を検証した。地域における展開や、今後の政策推進のあり方を展望する。

目次

はしがき
凡  例

序 章 本研究の目的と方法──制度の形成過程と成果検証の意義・方法
 1 本研究の問題意識と背景
 2 本研究の目的
 3 本研究の方法
 4 先行研究・資料の整理・分析
 5 本研究の特色と本書の構成


 第Ⅰ部 保護者・地域による学校運営参画の軌跡と現代的特質

第1章 学校運営参画の仕組としてのコミュニティ・スクール制度
 1 コミュニティ・スクールのタイプ
 2 スクール・ガバナンスの定義
 3 「参画」の定義

第2章 我が国における学校・地域関係の変容過程
 1 戦後の学校・地域連携の時期区分とその特徴
 2 学校・地域連携の変容傾向:小括に代えて

第3章 コミュニティ・スクール制度の制定過程
 1 教育改革国民会議の提案と法改正
 2 コミュニティ・スクール(地域運営学校)創設の背景
 3 足立区立五反野小学校における学校理事会成立過程
 4 小 括

第4章 学校運営協議会の特質
 1 学校運営協議会の役割と権限
 2 学校運営協議会の派生活動の展開
 3 スクール・ガバナンスとソーシャル・キャピタル
 4 ガバナンス非受容要因としてのパターナリズムと「拒否点」
 5 小 括


 第Ⅱ部 コミュニティ・スクールの実態分析

第5章 コミュニティ・スクール指定校数と文部科学省の施策
 1 コミュニティ・スクール指定校数の推移
 2 コミュニティ・スクールの自治体別指定状況と指定率
 3 市区町村別のコミュニティ・スクール導入率
 4 小 括

第6章 学校運営協議会設置規則の分析
 1 コミュニティ・スクールの指定期間
 2 学校運営協議会のマター
 3 学校運営協議会のアクター
 4 小 括

第7章 学校運営協議会の法定権限の規定要因
 1 教育委員会の課題認識と法定権限の関係
 2 地域性と法定権限規程の関係
 3 小 括


 第Ⅲ部 コミュニティ・スクール調査の分析と考察

第8章 コミュニティ・スクールの成果検証の目的と方法
 1 コミュニティ・スクールの成果検証の方法
 2 コミュニティ・スクール調査の実施概要と調査対象校

第9章 学校運営協議会の活動実態
 1 学校運営協議会「法定3権限」行使の実態
 2 権限規程4タイプ別に見た学校運営協議会の活動
 3 学校運営協議会の派生活動の実態
 4 小 括

第10章 コミュニティ・スクールの成果と校長の自己評価
 1 権限規程タイプと校長の自己評価
 2 権限行使の有無と提案実現度
 3 派生活動実施状況から見た成果認識・自己評価
 4 課題認識と自己評価
 5 自己評価に影響を及ぼす要因
 6 小 括

第11章 権限規程4タイプの有効性
 1 校長の認識から見た各タイプの特徴
 2 校長のコミュニティ・スクールに対する制度認識
 3 小 括

第12章 権限規程4タイプの特徴とまとめ──第Ⅲ部の総括に代えて
 1 「完全型」
 2 「制約型」
 3 「欠損型(1欠)」
 4 「欠損型(2欠)」

終 章 本研究から得られた知見
 1 本研究における分析結果の整理
 2 今後のコミュニティ・スクールの展望

補 論 コミュニティ・スクールをめぐる成果と評価に関わる諸要因
 1 はじめに
 2 地方別分析
 3 自治体規模別分析
 4 学校規模別分析
 5 総合評価スコア

参考資料:調査票
参考文献一覧
索  引

著者略歴

著:佐藤 晴雄
2017年2月現在 日本大学文理学部教授

ISBN:9784623079445
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:354ページ
定価:5500円(本体)
発行年月日:2017年04月
発売日:2017年04月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA