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社会的養護 5

監:倉石 哲也
著:伊藤 嘉余子
編:福田 公教

紙版

内容紹介

保育や児童福祉に関わる専門職を目指す学生のためのテキスト。第5巻「社会的養護」は、先般発表された「新しい社会的養育ビジョン」の内容等最新の動向をふまえ、わかりやすく社会的養護の歴史や制度の概要、子どもの権利について学ぶことができる。データや図解も豊富に収載。コマ数に合わせた全30レッスン形式で、レッスン末にはディスカッション・調べ学習などの演習課題が掲載されており、授業で使いやすいテキスト。

目次

はじめに


第1章 現代社会における社会的養護の意義

レッスン1 子どもの養護問題の現状と子ども虐待
 1 社会的養護とは
 2 社会的養護で暮らす子どもたち
 3 児童養護施設の現状

レッスン2 社会的養護の再編:子どもの権利擁護から考える
 1 社会的養護の再編の方向性
 2 国際社会からの圧力
 3 新しい社会的養護

レッスン3 社会的養護の必要性
 1 児童福祉法の制定
 2 持続可能な社会
 3 社会的養護の基本理念

 ●コラム 施設の形態(大舎制・中舎制・小舎制)


第2章 社会的養護の歴史的変遷と今日的課題

レッスン4 社会的養護の歴史(1)古代から大正期まで
 1 古代における子どもの救済
 2 中世における子どもの救済
 3 近世における子どもの救済
 4 明治期における子どもと家庭に対する社会事業
 5 大正期における子どもと家庭に対する社会事業

レッスン5 社会的養護の歴史(2)昭和期から現代まで
 1 戦前・戦後の児童保護
 2 1950〜1970年代の社会的養護の変遷
 3 1997年から現在までの社会的養護の変遷

レッスン6 近年の社会的養護の課題
 1 「新しい社会的養育ビジョン」
 2 社会的養護の現状
 3 代替養育(社会的養護)の質の向上
 4 新ビジョンをめぐる今後の課題

 ●コラム 家庭的な養育環境と「当たり前の生活」とは


第3章 社会的養護の制度と実施体系

レッスン7 社会的養護の体系
 1 社会的養護とは
 2 社会的養護の実施体制
 3 社会的養護の枠組み

レッスン8 施設養護
 1 施設養護とは
 2 施設養護の専門職
 3 施設養護の実際

レッスン9 家庭的養護
 1 子どもの成長発達の場としての家庭環境の保障
 2 里親制度
 3 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
 4 養子縁組制度
 5 家庭的養護の推進に向けての課題

 ●コラム 子どもが地域から切り離されることなく育つには


第4章 子どもの権利擁護と社会的養護

レッスン10 国連ガイドラインが示す社会的養護のあり方
 1 国連ガイドライン採択のプロセス
 2 国連ガイドラインの内容
 3 国連ガイドラインと日本の社会的養護のあり方

レッスン11 施設等における子どもの虐待
 1 被措置児童等虐待の現状
 2 被措置児童等虐待の防止

レッスン12 社会的養護における子どもの権利・人権擁護
 1 社会的養護の指針における権利擁護
 2 施設等で生活する子どもへの権利擁護の取り組み
 3 子ども間の暴力等の防止
 4 苦情解決のしくみ
 5 第三者評価

 ●コラム 子どもへのまなざし


第5章 社会的養護の理念と原理

レッスン13 社会的養護を支える理念
 1 社会的養護の基本理念
 2 施設養護の理念としてのノーマライゼーション
 3 社会的養護の役割と基本的方向

レッスン14 社会的養護を支える理論
 1 養護理論検討の契機となったホスピタリズム論争
 2 集団主義養護理論
 3 積極的養護理論
 4 家庭的養護理論

レッスン15 社会的養護を支える原理・原則
 1 運営指針と第三者評価
 2 運営指針で定める「社会的養護の原理」
 3 社会的養護の原理と子どもの自立支援

 ●コラム 里親家庭や養子縁組家庭での「真実告知」と絵本


第6章 施設養護の実践と方法

レッスン16 乳児院
 1 乳児院の位置づけ 
 2 施設の現状
 3 養育の特徴
 4 今後大切になってくること

レッスン17 児童養護施設
 1 児童養護施設の位置づけ
 2 児童養護施設の概況
 3 養育の特徴
 4 今後の課題

レッスン18 児童心理治療施設
 1 児童心理治療施設の位置づけ
 2 施設の状況
 3 養育の内容
 4 今後の課題

レッスン19 児童自立支援施設
 1 児童自立支援施設の位置づけ
 2 施設の状況
 3 養育と教育の内容
 4 今後の課題

レッスン20 母子生活支援施設
 1 母子生活支援施設の位置づけ
 2 施設の現状
 3 養育の内容
 4 今後の課題

レッスン21 自立援助ホーム
 1 児童自立生活援助事業の位置づけ
 2 事業の概況
 3 自立支援の内容
 4 今後の課題

 ●コラム 広まる「子ども食堂」の取り組み


第7章 家庭養護の実践

レッスン22 里親制度
 1 家庭養護の充実を目指して
 2 里親制度
 3 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム) 
 4 今後の課題

レッスン23 養子縁組制度
 1 家庭養護の充実を目指して
 2 特別養子縁組の概況
 3 養子の発達段階別の課題
 4 今後の課題

レッスン24 里親・養親への支援
 1 里親支援・養親支援の経緯
 2 児童相談所の役割と里親支援機関事業
 3 里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー) 
 4 今後の課題

 ●コラム 「支援につながる」ということ


第8章 社会的養護に求められる専門性と援助技術

レッスン25 社会的養護における保育士等の倫理と責任
 1 専門職として子どもや家族に向き合うということ
 2 ソーシャルワーク実践における倫理 
 3 保育士の倫理

レッスン26 職員研修・里親研修の現状と課題
 1 社会的養護にたずさわる専門職の資質向上の必要性
 2 児童福祉施設における職員研修
 3 里親研修

レッスン27 施設運営(アドミニストレーション)の課題
 1 施設運営の基本理念
 2 法人組織
 3 施設の運営管理
 4 施設運営の最低基準

 ●章末事例 里親支援専門相談員による専門性を生かした支援


第9章 社会的養護の課題と展望

レッスン28 パーマネンシープランニング
 1 パーマネンシープランニングとは
 2 パーマネンシープランニングからみた日本の養子縁組

レッスン29 子どもの親・家族への支援
 1 日本における家族支援の実際
 2 具体的なプログラム
 3 子どもの実の親とともに子育てを

レッスン30 地域支援機能の拡充と社会的養護
 1 地域支援機能拡充の一環としての児童家庭支援センター
 2 新しい社会的養護を支える役割

 ●コラム 子どもの養育者であり続けるためのコツ


さくいん

著者略歴

監:倉石 哲也
2022年5月現在
武庫川女子大学 教授
著:伊藤 嘉余子
2022年5月現在
大阪公立大学 教授
編:福田 公教
2020年11月現在 関西大学人間健康学部准教授

ISBN:9784623079308
出版社:ミネルヴァ書房
判型:B5
ページ数:240ページ
定価:2200円(本体)
発売日:2018年11月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS