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Minerva人文・社会科学叢書 213

グローバル化のなかの労使関係

自動車産業の国際的再編への戦略

著:首藤 若菜

紙版

内容紹介

世界中に生産工場と開発拠点を持つ大手自動車メーカー。各社は、本国以外の国や地域でいかなる労使関係を築いてきたのだろうか。海外工場で発生した労使紛争に、本社の労使は、どう対応しているのか。本書は、インタビュー調査をもとに、フォルクスワーゲンやダイムラーなどの巨大な多国籍企業で進む国際的な労使関係の実態に迫る。伝統的に強力な労働組合が存在する自動車産業を対象に、グローバル労使関係の可能性を探る一冊。

目次

序 章 国境を越えた労使関係の構築
 1 なぜグローバル労使関係が求められるのか?
 2 自動車産業におけるグローバル化と労働
 3 本書の構成

第1章 グローバル化と労働をめぐる議論
 1 はじめに
 2 三つの分析枠組み
 3 国際労働運動に関する研究
 4 労使関係とは
 5 グローバル化とは
 6 おわりに
 7 補論 グローバル化が雇用と労働条件に与える影響:国際経済学の研究

第2章 国際労働基準の到達点
 1 はじめに
 2 実現されなかった多国籍企業の行動規範
 3 自由貿易の拡大と基礎的な労働基準の確立
 4 欧州従業員代表制度の導入
 5 企業による自主規制の広がり
 6 おわりに

第3章 多国籍企業とグローバル・ユニオンの国際協定
 1 はじめに
 2 GFAとは
 3 GFAの内容と適用範囲
 4 GFAの実効性
 5 国際産別組織の取り組み
 6 日本の労働組合の対応
 7 おわりに

第4章 欧州で広がるグローバル・ネットワーク
 1 はじめに
 2 IMF企業別世界協議会の設立
 3 新たなグローバル・ネットワークの形成
 4 ネットワーク会合の議論
 5 海外工場の組織化と現地労組の育成
 6 海外事業所で発生した労働問題への関与
 7 国際労働協約の萌芽
 8 おわりに

第5章 日系労組の国際活動の実態
 1 はじめに
 2 IMF企業別世界協議会の設立
 3 世界協議会の停滞と中断
 4 ネットワーク会合の変容と再開
 5 海外事業所で発生した労働問題への対応
 6 日系労組のグローバル・ネットワークの事例
 7 おわりに

第6章 国際的労使関係の状況
 1 はじめに
 2 労働組合の国際活動
 3 使用者にとっての国際的労使関係
 4 国際的労使関係における政府の役割
 5 おわりに

終 章 グローバル労使関係への道筋
 1 本書の要約
 2 ルールに基づく競争
 3 日本の労働組合について
 4 国境を越えた労使関係の進展
 5 残された課題

参考文献
あとがき
索  引

著者略歴

著:首藤 若菜
2017年2月現在 立教大学経済学部准教授。博士(学術)

ISBN:9784623079094
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:296ページ
定価:5500円(本体)
発行年月日:2017年02月
発売日:2017年02月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF