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絶対役立つ臨床心理学

カウンセラーを目指さないあなたにも

監:藤田 哲也
編著:串崎 真志

紙版

内容紹介

日々の学生生活・社会人生活の中で、臨床心理学の知見はどのような意味を持つのか?
本書は、自分自身に役立つものとして、臨床心理学の基礎的な知見を学ぶためのテキストである。第?部では心理的障害の理解と支援について、第?部では臨床心理学の理論と方法について解説する。この本を通して臨床心理学を学ぶことで、あなたは、自分の日常を新しい見方で見るようになるとともに、臨床心理学をさらに深く学びたいと思うだろう。

目次

第0章 はじめに──臨床心理学について学ぶ意味
 1 この本でみなさんに伝えたいこと
 2 心の不調をどうとらえるか
 コラム0-1:閾下知覚の実験
 コラム0-2:きょうだいの生まれ順は競争場面に対する好みに影響するか?

 第Ⅰ部 心理的障害の理解と支援
第1章 パーソナリティの理解──個人差に注目する
 1 ビッグ・ファイブとは
 2 心理的障害にはどのようなものがあるか
 3 傷つきやすさの利点
 コラム1-1:普通(normal)と普通でない(abnormal)の線引き
 コラム1-2:高い敏感性をもつ人(highly sensitive person)
 コラム1-3:神経症傾向のある人は出来事をネガティブに経験しやすい

第2章 うつ病と抑うつ障害──ストレス社会を生きる
 1 症状・アセスメント
 2 病因・メカニズム
 3 治  療
 コラム2-1:うつ病の文化差
 コラム2-2:双極性障害
 コラム2-3:子どものうつ病予防プログラム

第3章 不安症──怖れる気持ちとつきあう
 1 症状・アセスメント
 2 病因・メカニズム
 3 治  療
 4 環境と遺伝
 コラム3-1:社交不安症の文化差
 コラム3-2:不安症がストレスフルな出来事を引き起こす?

第4章 統合失調症──普遍的な心の病
 1 臨床像
 2 病因・メカニズム
 3 治療と支援
 コラム4-1:統合失調症という病名
 コラム4-2:統合失調症のバウムテスト・風景構成法
 コラム4-3:病跡学──ゴッホの絵画に表現された精神世界

第5章 心的外傷後ストレス障害(PTSD)──癒しがたい心の傷
 1 症状・アセスメント
 2 神経生理メカニズム
 3 ケアと支援
 コラム5-1:PTSDのなりやすさの遺伝的素因
 コラム5-2:レジリエンスと外傷後成長
 コラム5-3:PTSDにおける遺伝-環境相互作用

第6章 発達障害──自閉症の理解と支援
 1 特徴・アセスメント
 2 自閉症スペクトラムの原因
 3 自閉症スペクトラムの認知的特性
 4 支  援
 コラム6-1:腸内フローラと自閉症スペクトラム
 コラム6-2:自閉症スペクトラムの有病率

 第Ⅱ部 臨床心理学の理論と方法
第7章 臨床心理学の理論と方法の歴史──心に対するさまざまな考え方
 1 臨床心理学の誕生
 2 精神分析
 3 行動療法から認知行動療法へ
 4 人間性心理学
 5 家族療法
 6 その後の心理療法の展開
 コラム7-1:ヴントとウィットマー──ちょっとフザけた話
 コラム7-2:ヴントとウィットマー──ちょっとマジメな話

第8章 精神分析──自分を深く見つめる
 1 自我心理学
 2 対象関係論
 3 神経精神分析
 4 分析心理学
 コラム8-1:アドラー心理学
 コラム8-2:ラカン派精神分析
 コラム8-3:メンタライゼーションとエビデンス研究

第9章 認知行動療法──エビデンスにもとづくアプローチ
 1 認知行動療法とは
 2 認知行動療法の実際
 3 認知行動療法の適用
 4 心理療法の作用機序
 コラム9-1:認知行動療法の二つのABC分析
 コラム9-2:新世代の認知行動療法
コラム9-3:認知行動療法の多様な実践方法

第10章 人間性心理学──自分らしく生きる
 1 パーソンセンタード・アプローチ
 2 パーソンセンタード・アプローチの展開
 3 フォーカシング指向心理療法
 4 フォーカシングの展開
 コラム10-1:プレゼンス
 コラム10-2:フォーカシング・ショートフォーム
 コラム10-3:人間性・体験療法の効果研究

第11章 ナラティヴ・アプローチ──心とセラピーを問い直す
 1 物語的認識
 2 ライフストーリー,ナラティヴ,記憶
 3 ナラティヴ・セラピー
 コラム11-1:クライエントの物語とカウンセリングの方法の適合性
 コラム11-2:ナラティヴ・ベイスト・メディスン

第12章 神経科学と生理心理学──心の生物学的基礎
 1 脳のマクロな構造と部位
 2 感情とそのコントロール
 3 神経細胞と神経伝達物質
 4 身体の生理学
 コラム12-1:皮 質
 コラム12-2:大脳皮質の五つの葉
 コラム12-3:感情と記憶

第13章 心理アセスメント──専門家による心の見立て
 1 心理アセスメント
 2 心理検査
 3 心理検査について知っておきたいこと
 コラム13-1:あなたは自分のことをわかっている?
 コラム13-2:ロールシャッハ・テストの脳研究
 コラム13-3:認知症と神経心理学検査

第14章 臨床心理学のための統計学──心理検査マニュアルを読むために
 1 平均と標準偏差が意味するもの
 2 標準化で何がわかるか
 3 相関があるとはどういうことか
 4 推測統計の考え方
 コラム14-1:心理統計学を学ぶ目的

編者あとがき
監修者あとがき
さくいん

【トピックス〈臨床心理学の現場〉】
 1○心理職という仕事──さまざまな領域での役割
 2○保育・子育て支援
 3○教  育
 4○スクールカウンセリング─ 未来の社会を支える援助
 5○コミュニティ支援──傾聴ボランティア
 6○スポーツ・リハビリテーション──Athlete First
 7○『ダイニングテーブルのミイラ』

著者略歴

監:藤田 哲也
*2021年4月現在
法政大学文学部心理学科 教授
編著:串崎 真志
2019年4月現在 関西大学文学部 教授

ISBN:9784623077953
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:268ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2016年09月
発売日:2016年09月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM