はしがき
第Ⅰ部 現代のフランス・イタリア哲学
第1章 哲学と〈政治〉の問い(柿並良佑)
――ラクー=ラバルトとナンシー
1 〈政治〉をめぐって
2 新たな哲学の位置を求めて
3 〈哲学の終焉〉の後で
第2章 主観性の生産/別の仕方で思考する試み(増田靖彦)
――フェリックス・ガタリを中心にして
1 プルーストを読む
2 ガタリの思想
3 備考――ネグリとの邂逅
第3章 生の現象学(川瀬雅也)
――ミシェル・アンリ、そして木村敏
1 「歴史的現象学」の基本姿勢
2 リアリティとアクチュアリティ
3 ロゴスとパトス
4 個体の個体性
5 生と〈生〉
6 「生の現象学」という課題
第4章 「寄生者」の思想(信友建志)
――ジャック・ラカン
1 他者と寄生者
2 鏡と想像的なもの
3 象徴的なものと死
4 裂け目、余剰、そして現実的なもの
5 性関係の不在、そして愛
第5章 イタリアの現代哲学(鯖江秀樹)
――ネグリ、カッチャーリ、アガンベン、エスポジト、ヴァッティモ、エーコ
1 ネグリとカッチャーリ――帝国をめぐって
2 アガンベンとエスポジト――生政治をめぐって
3 ヴァッティモとエーコ――解釈と記号の多元性
4 イタリア現代思想の戦略
第Ⅱ部 現代のドイツ哲学
第6章 「実践哲学の復権」の再考(加藤哲理)
――ハーバーマス、ルーマン、ガーダマー
1 実践哲学の復権
2 ポスト形而上学時代の批判理論――ユルゲン・ハーバーマスと社会哲学の使命
3 観察としての理論――ニクラス・ルーマンと社会システム理論
4 理論を讃えて――ハンス=ゲオルグ・ガーダマーと哲学的解釈学
第7章 アレゴリーとメタファー(齋藤元紀)
――ベンヤミンとブルーメンベルク
1 ベンヤミンとブルーメンベルクの《修辞の思考》
2 ベンヤミンの生涯
3 ブルーメンベルクの生涯
4 ベンヤミンのアレゴリー的思考
5 ブルーメンベルクのメタファー的思考
6 《修辞の思考》の目指すもの
第8章 批判理論(入谷秀一)
――アドルノ、ホネット、そしてフランクフルト学派の新世代たち
1 理性の苦悩――フランクフルト学派第一世代の主要テーマ
2 承認をめぐる苦悩――アドルノからハーバーマス、そしてホネットへ
3 ホネット承認論の展開
4 不透明性との対決――批判理論の新たな世代
第Ⅲ部 現代のイギリス・アメリカ哲学
第9章 日常性への回帰と懐疑論の回帰(荒畑靖宏)
――スタンリー・カヴェル
1 日常言語哲学の方法
2 日常性への回帰と共同体への要求
3 懐疑論の回帰・悲劇・映画
第10章 「芸術」以後(三松幸雄)
――音楽の零度より ジョン・ケージ
1 問題圏への導入
2 音・楽音・沈黙
3 芸術の存在論
4 音楽の零度へ
5 人間以後の音楽へ
第11章 性/生の可能性を問う政治哲学(清水知子)
――ジュディス・バトラーの思想
1 欲望のエコノミー
2 異性愛のマトリクスとメランコリー
3 暴力・哀悼・可傷性
4 身体の存在論と倫理
第12章 ナンセンスとしての倫理(河田健太郎)
――コーラ・ダイアモンドの『論考』解釈
1 フィッカーへの手紙
2 『論考』の序文と結論
3 『論考』の目的と構造
4 信念帰属の問題と『論考』の手続き
5 『論考』が倫理的であるということ
第13章 分析哲学(齋藤暢人)
――現代の言語哲学として
1 名前の記述説
2 指示の因果説
3 内包論理の意味論と直接指示の理論
4 指示と様相
あとがき
事項索引
人名索引